笑顔を忘れず、偏らず
私と民団とのかかわりは、危機に瀕した民団を守るため多くの仲間と組織整備事業に身を挺して以来、約45年続いています。青年会結成に参与する一方、1世中心の民団と2・3世の青年会との間をつなぐ組織をつくるべく、先輩・仲間たちとともに青年商工会の起ち上げにも参加し、同連合会会長を2期務めました。
中央本部役員としては、同会長時代に地方参政権獲得運動に力を尽くせとの命を受け、執行委員に就任して以降、副団長として人権擁護分野を主に担当し、03年に発足した脱北者支援センターの代表、民団の対外・対日折衝担当者として日韓親善協会中央会副会長を現在も務めています。
副議長としては、在外国民が国政に参与する新時代に入ったことを踏まえ、第7次宣言及び新綱領の制定、次代をにらむ規約改正にも積極的に取り組んできました。
韓日関係はかつてなく険悪であり、私たちの生活を根底から脅かしています。その代表的な現象がヘイトスピーチであり、反韓・嫌韓言説の洪水です。昨年、国連人種差別撤廃委員会(ジュネーブ)は日本政府に厳しい勧告を発しました。この勧告には民団が派遣した代表団の働きも大きく作用しました。人権擁護委員会が議論を積み重ね、行動してこその成果です。
光復70周年、国交正常化50周年が重なる今年を含め、民団の今後3年間には韓国国会議員選挙、創団70周年、韓国大統領選挙など大きな動きが相次ぎます。我々の祖国・韓国と居住国・日本の社会がどう変化するのか、それに民団がどう対応するのか厳しく問われます。
同胞社会の大統合や次世代育成問題、脅かされる生活権、本国との関わり方の変化など、山積する問題に直面している民団、とりわけ執行部の重圧には大きいものがあります。
私は時代の変化にふさわしい風通しの良い明朗な議論を尽くして意見を集約し、今後の民団の針路を示すこと、執行部が存分に働くための枠組みをつくることが議決機関の使命だと考えます。
私が議長に就任したあかつきには、議論の進行役、行司役として筋の通った討議を導く任務に徹します。さらに、私が民団と深くかかわることになった出発点とも言える地方参政権運動を再照明し、この運動の持つ意義、必要性に対する理解を広めたいと思います。
団員皆様の声に耳を傾け、明日の民団のために、良い時はもちろん困難に直面しても、笑顔、スマイルをモットーに誠心誠意取り組みます。皆様の御支援、心よりお願い申し上げます。
【組織略歴】
1972年に、民団組織整備および青年会結成運動に参加。青年会東京都副会長、青年商工人連合会会長2期、民団中央本部副団長通算5期、副議長1期。
(2015.2.4 民団新聞)