[1]民団の進む方向
(1)在米韓国人型組織
現在、在日韓国人社会では、過去において1万人、最近においては、5千人に近い在日が日本国籍を取得しております。現在30万、40万人といわれる在日が、単純計算をすると20〜30年後には、いなくなるような差し迫った時代に突入していることを充分に認識しなくてはなりません。
この状況を前提に、民団も日本国籍を取得した彼らを招き入れ、彼らも民団のトップになれるようにし、彼らとスクラムを組んで民団が日本の政治に影響を及ぼすような組織になることが、これからの民団の歩む方向であると考えます。例えば韓日条約の見直しを要求する。
(2)組織のトップとしての責任
日本国籍を取得した彼らにも民団のトップになれるようにし、そのためにも組織のトップとしての責任を明確にしておく必要があります。どこの組織もトップが組織の運営に支障を招いたなら、責任をとる。これはどの組織でもトップの責任が不明瞭になると、その組織は信頼を勝ち得ることができない。民団もどこの組織でもあてはまるような、透明性のある組織にしなくてはなりません。
これを民団にあてはめてみると、残念なことに組織のトップとしての適切性を欠いているものと言わざるをえません。
それは一般社団韓商との混乱を日本社会にさらけ出し、民団社会の失態を露出してしまいました。民団は在日韓国人のリーダーとして民団組織をまとめてゆく役割と使命がありますが、その役割を果たせませんでした。
次に、本国からの支援金が今までにない条件付きにされてしまったということです。
さらなる責任は一般社団法人韓商との和解を今でも実行できないままにいることです。
(3)本国政府からの自立
これは、本国の支援金に依存しない財政基盤を構築することです。
[2]以上、民団の進む方向を実現するために次の4つの政策を実行します。
(1)選挙制度の改革
現在、民団組織ではトップを決める時は代議員制をとっており、団員が直接トップを決めることはできません。これを改め、団費を払っている団員全員に投票権を与えるようにし、団員の声が反映されるようにします。
(2)財政再建
これは、先程の本国政府からの自立に関連しますが、現在、本国政府からいただいている支援金を5年分一括でいただき、これを財源に民団を運営してゆきます。
(3)組織のスリム化
現在の中央集権運営から、地方分権運営にして、地方本部が地域に適合する政策を作成し実行する。これに合わせて、財源も移譲し地方本部の独自性を高めます。
(4)IT化の推進
民団組織の情報をIT化し、組織運営のスピード化を図る。これは、(1)の選挙制度に関連し、すべての団員が投票できるようなシステムを構築することであり、また、会議も中央本部に集まってするのではなく、インターネットで会議をするようなシステムの構築。
以上のように、民団の進む方向性、そのための政策の実行を述べてきましたが、これらの運営組織を、現在のような任意団体の形態ではなく、財団もしくは社団形態で行おうと考えており、その理由は、民団組織を透明性、そして公開性にすることにより、団員からの信頼を高め、維持することにあります。
私は、3世4世が、お金に心配することなく、高い志をもって、民団組織を運営できるようにし、また、民団組織が日本の発展にとって、不可欠であると認識してもらえるような、民団組織になるよう、基礎を作りたいと考えている次第であります。
(2015.2.4 民団新聞)