【岩手】民団岩手本部(金盛義団長)は、東日本大震災で被災した下閉伊郡山田町と上閉伊郡大槌町の小規模仮設団地で暮らす1530世帯に対し、ソウル市に本社を置く大手菓子メーカーのオリオン日本支社(東京都中央区人形町)から提供を受けたチョコレートケーキ100ケース(1ケース48個入り)を届けた。東日本大震災被災地への支援活動は民団岩手が3月の地方委員会で、引き続き主要活動方針の一つとして掲げていた。
被災住民から感謝の手紙「私たちのことを忘れないでいてくれた」
現地住民によれば、被災者が比較的多く住む仮設団地に比べ、10世帯前後がひっそり身を寄せて暮らす小規模な仮設団地には支援物資が十分に行き届いていないのだという。そのため、たとえ時間がかかっても、幅広く隅々まで支援物資が行き渡るようにと気を配った。
配布は賞味期限のこともあり、支援物資が届いて3日後の4月18、20の両日、姜英萬事務局長をはじめとする民団関係者3人が現地に運び込んだ。地元では被災団員の朴明子さんが協力。あらかじめ43カ所に及ぶ各仮設団地の自治会区長に連絡して世帯数を確認しておいたことで、配布は滞りなく進んだ。
朴さんは、「民団からは見舞金や慰労金などをたくさんいただき、とても助けてもらったので、少しでも恩返ししたかった」と話した。また、関谷担い手仮設団地住民自治会では、自治会役員が総出で受け取り、各世帯に配布した。
配布を終えてしばらくすると、住民からお礼の電話が多数、民団に届いた。山田町の山田旧不動生コン(1)仮設団地の木下慶一区長夫人の志き子さんからは、「私たちを忘れないでいてくださる人々がまだいた。そう思うと、胸が熱くなりました。本当にありがとうございました」という手紙が届き、姜事務局長を感激させた。
オリオン日本支社が今回提供したのは、同社の主力商品「マーケットオーリアルブラウニー」。岩手のほかにも秋田、宮城、青森の各民団を経由して計350ケースを支援した。小売り価格に換算して500万円相当。
(2013.5.8 民団新聞)