民団中央本部の呉公太団長は9日、在日韓人フォーラム・オレ(趙玉済会長)の発足1周年記念講演会に「特別講師」として招かれ、新旧同胞の和合と協力をテーマに講演した。一般社団法人政経文化交流会が主催。会場となった東京・新宿のあすか信用組合7階大会議室は新旧同胞200人余りで埋まった。
呉団長は、日本社会での共通する課題に対しては新旧の区別なく、唯一の全国組織である民団を中心に対処していくことを強調した。
「いまは日本国内で韓人会など様々な組織が乱立しているが、民団も新規定住者の団体もみんな力を合わせ、世界中の韓人社会の模範となるようにするのが私の思いだ。お互い仲良く、任務分担しながら協力しあおう」と呼びかけた。
分かりやすい事例として東京・新大久保で繰り返されている「在特会」(在日の特権を許さない市民の会)による排外扇動デモにも触れ、「韓国人死ね、殺せという罵声が行き交う時代に、反目しているだけでいいのか。われわれが心を一つにしなければ、いつまでも彼らの攻撃にさらされるだけだ」と呼びかけると、会場からは共感の拍手が起きた。
呉団長は、用意していた原稿には目を通さず、体験してきたことを中心に民団の歴史と現在取り組んでいる課題などについて語った。民団が3大運動として取り組んでいる次世代育成について、子弟教育の現状を紹介しながら説明。在日同胞社会の経済状況についても、自らの見解を率直に表明した。参加者も熱心にメモを取りながら呉団長の講演を聴いた。
講演会の進行を担当していた尹敏鎬さん(米州開発銀行アジア事務所対外総括担当)は、呉団長の話に感銘を受けたと前置きし、「ニューカマーは米国でもいろいろな団体を乱立させている。先輩の立場にある民団の真似をするなら、力をつけてからやるべきだ。呉団長の話を聞き、見習わなければならないことが多いと思った」と話した。
(2013.5.22 民団新聞)