掲載日 : [2020-02-12] 照会数 : 13751
「在日同胞の母国貢献、教科書掲載に注力」韓佑成理事長に聞く
在日同胞の母国貢献等、教科書掲載に注力
在外同胞センター建設も
在外同胞財団第9代理事長の韓佑成氏は2017年に就任して以来、在日同胞をはじめとする海外同胞人士と団体の歴史や母国への貢献などを韓国国民に幅広く知らせるべきだと、教科書への記載や「在外同胞教育文化センター」の設立に努めてきた。今年10月に3年の任期を迎える、韓理事長に民団と在日同胞に対する思いや期待などを聞いた。
◆在日同胞社会と民団への期待について
在日同胞社会は韓国戦争、88年ソウル五輪、97年のIMF危機など、一大行事や国難の度に母国の発展に多大な貢献をしてきました。民団は今日に至るまで74年間、在日同胞の権益擁護に献身し、あわせて日本社会の発展にも大きく貢献しました。深く感謝するとともに敬意を表します。
ここ最近、韓日関係が厳しい状況が続いていますが、こんな時こそ民団を中心に在日同胞社会が団結し、両国の懸け橋となって民間交流を先導して頂けるよう期待しています。
◆在日同胞の母国への貢献などを韓国の歴史教科書に記載を求めているが、具体的な活動内容について
当財団は、在外同胞の理解改善のため、在日同胞を含む在外同胞人物と団体を韓国の小・中・高校の教育課程と各科目の教科書に収録するため、多くの努力を傾けています。
過去、教科書には同胞という単語がありました。しかし、ある瞬間から消えてしまいました。韓半島に住む国民が海外に住む同胞を理解するためには、在外同胞の人物と団体を教育課程と教科書に記載することが最も効果的だと思います。
財団ではこれまでも教育部、外交部など関連機関と数回協議を重ね、小学校の国語をはじめとする社会、道徳などの国定教科書に在外同胞を紹介する内容が記載されるなどの成果を収めました。
今年は小・中・高校の検定及び認定教科書全般にわたり在外同胞の人物、団体が掲載されるよう努力します。
◆在外同胞センター建設の構想と具体的な内容について
「在外同胞教育文化センター」は、大韓民国政府樹立以来、中央政府レベルで最初に設立される在外同胞関連施設として、韓国内5200万人と在外同胞750万人のエネルギーを一つに集約させた空間です。
このセンターは海外移住歴史展示館、国内青少年たちの体験学習広場、次世代同胞アイデンティティー教育など、「グローバル韓民族ネットワーク」の拠点としての役割を果たす計画です。
各国の同胞も関心を寄せられており、遅くとも2023年の竣工をめざしています。
◆民団をはじめとする在日同胞の次世代に望むことや財団の協力について
財団では「グローバル韓民族ネットワーク」の構築に心血を注ぐとともに、在日同胞社会の未来を担う在日同胞次世代の育成と支援がいつにも増して重要だと考えています。
財団は「次世代韓民族のアイデンティティーと矜持心を育てるネットワーク構築」を重要課題に掲げ、海外同胞の次世代育成事業に最大の力点を置いています。
今年開催する海外在住同胞の中・高・大学生を対象とした「母国セミナー」など、主要次世代事業に在日同胞次世代が積極的に参加してくれることを期待しています。
また、民団で実施している「在日同胞オリニジャンボリー」「在日同胞次世代サマースクール」「在日同胞青少年母国訪問研修」などのプログラムにも積極的に協力していきます。
ぜひとも、母国との絆を深めるために必須の次世代育成事業である民団のオリニ土曜学校をはじめ、青年会、学生会など多くの在日同胞次世代が参加できるよう積極的に広報してくださるようお願い申し上げます。
◆理事長の任期中に必ず実現したい計画と在日同胞社会へのメッセージ
これからも各種マスコミを通じて在日同胞をはじめ、在外同胞の母国への貢献と現地居住国での活躍ぶりを再照明、アピールし、韓国の小・中・高校の教科書収録を通じて韓国国民とともに在外同胞の記録を残すことに力を注いでいきます。
特に財団は今年、「人権事業部」を新設し、次世代海外養子縁組同胞など、政府支援の死角に置かれていた同胞への支援を強化していきます。また、「在外同胞教育文化センター」の建設が円満に進められるように最善を尽くします。
ぜひとも在日同胞社会が今の韓日関係悪化の影響を受けず、民団を中心にすべての同胞の力量を結集して、困難を賢明に克服ことを願うばかりです。
あわせて、次世代の韓国語教育、在外同胞青少年セミナー、韓国語教師・講師招請セミナーにも積極的に参加頂きますよう期待しています。
(2020.02.12 民団新聞)