掲載日 : [2022-06-30] 照会数 : 21210
金浦-羽田路線が再開で両空港に活気戻る…人的交流も活発化へ
[ 大韓航空のカウンターで渡航手続きをする訪韓客(6月29日午前10時頃、羽田空港第3ターミナル) ] [ チェックイン手続きで並ぶ渡航客 ] [ チェックインを前にカウンター前に整列する大韓航空のスタッフ ] [ 金浦空港からの到着を知らせる案内ボード ]
「3年ぶりの帰郷、両親に会って」
ソウルの金浦空港と東京の羽田空港を結ぶ、航空路線が6月29日、2年4カ月ぶりに再開し、金浦、羽田両空港ともに活気が戻った。ピーク時には、韓日の首都を結ぶ最短路線として、週84往復が運航されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で運航を停止していた。
この日、再開された羽田-金浦便は大韓航空(日本航空と共同運行)とアシアナ航空(全日空と共同運行)がそれぞれ1往復だけ。大韓航空によると、173席のところ、約50人が搭乗し、大半は韓国人だった。
それでも、再開決定から間もない期間の上、日本人旅行客にはビザが必要な状況を考えたら、上々の搭乗率だ。
当面は大韓航空+日本航空、アシアナ航空+全日空ともに水、土の週2日の合わせて8往復の予定だが、徐々に増便していく予定だ。
大韓航空のチェックインカウンター前で姉島禎冶東日本支店長が記者を前に会見。
「待ちに待ったという思い。金浦-羽田路線は日本と韓国の経済交流を支える重責を担っており、大動脈ともいえる。ふたたび、この便を利用する皆様のお役に立てることになり、本当にうれしく感じている」としながら、「まずは週2便と限定的だが、ノービザの再開も含めた両国政府の認可が取れ次第、増便を図っていきたい」と今後の増便へ期待を込めていた。
この日、まず金浦空港から午前8時45分にアシアナ航空(全日空と共同運行)の便が、午前9時には大韓航空(日本航空共同運行)の便がそれぞれ50~60人の乗客を乗せて羽田空港に向かった。
羽田空港からは午後12時5分と12時25分の便にそれぞれ約50人を乗せて金浦空港に向かった。
羽田からの乗客に大半は韓国人客。都内に就職中の30代の男性は3年ぶりに故郷の釜山に向かうが、金浦到着後に国内線で金海空港に向かう予定。
「3年ぶりの帰郷なので釜山の店も、だいぶ変わったと思う。釜山に着いたら、まずは両親や友人らと再会し、おいしい食事を楽しみたい」と笑顔を見せていた。
半導体、LCD製造装置、電子部品等の貿易を営む女性は光州支社に出張のため、再開を待ちわびていた。「この間、リモートで仕事を進めていたが、現地のメンバーと対面してこそ堅実に業務が運ぶ。韓国も日本のビジネスもこの路線が再開してこそ、経済も回復していく」と述べながら、「隣人どうしが相互訪問する人的交流が活発してこそ、韓日関係の本来の姿に戻る。金浦‐羽田路線はそのアイテムだ」と付け加えた。
金浦-羽田路線は2002年にサッカーワールドカップ用にチャーター便としてスタート、2003年からは定期便として正式に運航が定着した。コロナ前は韓流ブームによる日本人訪韓客の増加、逆に韓国人の訪日客も増え、国内旅行の気分で両国を往来していた。
とくにこの2年間、コロナ禍の影響による、「巣ごもり」消費に加え、「BTS」を中心としたK-POPや韓国ドラマ・映画をはじめとする、第4次韓流ブームの追い風も重なり、韓国旅行を待ち望む日本人が急増した。この間、新大久保のコリアンタウンが連日、若い女性たちでにぎわっているのも、その現れだ。
金浦空港の国際線ターミナルは目的地に着陸せずに海外上空を巡る国際遊覧飛行などで利用されるケースがあったものの、実質的には2年以上閉鎖された状態だったが、同路線が再開したことで、免税店などの施設も運営を再開した。
大韓航空では7月から仁川-千歳便を再開するほか、仁川-成田、仁川-関西路線を毎日運行に増便する。