【ソウル】北韓に抑留されている「統営の娘」こと申淑子氏と2人の娘の送還推進を目的とした「統営の娘送還対策委員会」が20日発足した。申淑子氏の夫の呉吉男博士が常任代表に選ばれた。
「美しい財団」の朴相曽理事長、「北韓民主化フォーラム」の李東馥常任代表、「北韓民主化ネットワーク」の韓基弘代表、「北韓民主化委員会」の洪スンギョン委員長、拉致被害者家族会の崔成龍代表など16人が対策委の共同代表に就任した。発足式に参加した民団中央本部の呉公太団長は、11人の国会議員とともに名誉委員に選出された。
呉公太団長は、対策委への協力を表明するとともに、民団による「忘れな草(ムルマンチョ=勿忘草)バッジ着用運動(募金)」からの1000万ウォンに団長個人による1000万ウォンを加えて伝達した。
対策委はこの日、ソウル中区太平路のプレスセンター外信記者クラブで記者会見を行った後、統一部を訪問して「申淑子さんの生死確認と2人の娘の行方を明らかにするのに最善の努力を傾注してほしい」と請願書を提出した。また「名前も顔もわからない北韓政治犯収容所の20万収監者らの釈放と収容所の解体のために関心を傾けてほしい」と促した。
看護師として西独(当時)に在住中の1985年に、夫で経済学者の呉吉男氏と一緒に北韓に誘い込まれた韓国・統営出身の申淑子さんについて、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)傘下の「恣意的拘禁に関する作業部会」は今年5月29日、「申さんと2人の娘は北韓によって強制抑留された」と認め、北韓に対して申さん母娘の即時解放と適切な賠償を求めた。
呉氏は、在西独の国際的音楽家、尹伊桑氏の強い勧めで家族を連れて北韓に入ったが、対南工作活動を強要されたため86年に単独で北韓を脱出。韓国に戻ってから夫人と娘の救出を訴え、運動してきた。
(2012.7.25)