金メダルは最多タイに
〞伏兵〟相次ぐ大金星…魅せたここ一番の強さ
男子跳馬で韓国初の体操金メダルに輝いた梁鶴善の演技 |
成績もさることながら、今大会で選手たちが示したマナーや姿勢は、メダル数以上の価値がある。成績にこだわり、結果に一喜一憂していた、かつての様子とは変わって、最善を尽くしつつ五輪そのものを楽しむ姿に変わり、韓国スポーツの品格は大きくレベルアップ、風格さえ感じさせた。
大会序盤、水泳の朴泰桓、フェンシングの南賢喜、アーチェリー男子団体、柔道の王己春など、金メダルが予想されていた種目が次々と脱落し、韓国選手団の雰囲気は重かった。
しかし、秦鍾午が射撃で金メダル第1号を獲得するや、アーチェリー、柔道などで金メダルラッシュが続き、あまり期待されていなかったフェンシングでもメダルが相次ぎ、ムードが変わった。フェンシング・サーブル男子団体で韓国五輪史上100個目の金メダルを獲得した後も、体操の梁鶴善とレスリングの金雨が上積みした。
体操、フェンシングでは韓国史上初の金メダルを獲得。五輪初参加だった48ロンドン大会以来出場しているサッカーだが、64年目にして日本との3位決定戦を制し悲願のメダルを獲得、韓国スポーツ界に「新しい歴史」を作った。チームを率いたのは02W杯「4強神話」の主将だった洪明甫。「ドリームチーム」と評した。
また、新体操の妖精、孫延在(18)が韓国初の決勝進出を果たし、メダルこそ逃したが堂々の5位入賞。爆発的な人気を呼んでいる。キュートなルックスだけではない。「新体操不毛の地」と言われる韓国で、欧州の有力選手と対等に競い合い、新たな道を切り開いていく姿に、ファンが拍手を送っているのだ。
驚く結果に海外も注目
ロンドン五輪で大躍進を見せた韓国選手団に対し、海外のマスコミが賛辞を寄せている。英国の日刊紙「ガーディアン」は8日付で、「48年のロンドン五輪に初参加以来、過去最高の成績を残した韓国スポーツパワーの背景」と題して韓国を大きく取り上げた。
同紙は「韓国は序盤は申アラムの判定問題などで重いムードだったが、その後は金メダルを量産し上位に入った」と紹介した。
さらに「韓国のスポーツ界では不毛地同然の射撃とフェンシングでメダルを量産したことは、驚くべき結果」と絶賛。
米国のフォックススポーツも、「韓国はフェンシングで驚くべき金メダルを獲得」と評した。
ロイターは韓国体操史上初の金メダルを獲得した梁鶴善(20)について、「自分にしかできない技で堂々と金メダルを獲得した。ロンドン五輪の精神を体現した選手だ」などと称賛した。
銅メダルを獲得したサッカーも高い評価を受けた。ガーディアンは「韓国は効率的かつ有機的な組織力で、自信あふれるプレーを展開した」と評した。
射撃の女子25メートルピストルでこの種目初の金メダルの金牆美 |
レスリング・グレコローマン66キロ級優勝の金雨 |
男子柔道金メダル81キロ級の金宰範 |
男子柔道金メダル90キロ級の宋大男 |
アーチェリー男子個人優勝の呉真爀 |
アーチェリー女子団体優勝の左から崔賢柱、李成震、奇甫倍 |
新体操の妖精・孫延在の演技。5位に入賞し会場を沸かせた |
フェンシング女子個人サーブル優勝の金志妍 |
フェンシング・サーブルで韓国男子初の団体種目の金メダルを獲得した選手ら |
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我らがメダリスト
金メダル
射撃で金メダル第1号の秦鍾午 |
アーチェリー個人の奇甫倍 |
【フェンシング】
▼金志妍(24)=女子サーブル個人。
▼具本佶(23)、金政煥(28)、呉恩錫(29)、元禹寧(29)=男子サーブル団体。団体種目で韓国初。韓国五輪通算100個目の金。
【柔道】
▼金宰範(27)=男子81㌔級。同種目、韓国人選手2人目となるグランドスラム(主要大会制覇)を達成。
▼宋大男(33)=男子90㌔級。金宰範を避け81㌔級から転向。09年世界王者の李奎遠との代表レースを制し初の五輪切符をつかむ。最初で最後の大会で夢を果たす。
【体操】
▼梁鶴善(19)=男子跳馬。体操で韓国初の金。全羅北道の農村で小さなビニールハウスに住んでいるが、金メダルを獲得し、「両親に家を建てたい」。常に両親や兄を気遣う孝行息子。
【レスリング】
▼金雨(24)=男子グレコローマン66㌔級。韓国レスリングが長い低迷から抜け出すきっかけをつくった。
テコンド女子67キロ級の黄敬善 |
銀メダル
▽崔永来=射撃・男子50㍍ピストル
▽金宗玄=射撃・男子ライフル3姿勢
▽申アラム、鄭孝正、崔仁貞、崔恩淑=フェンシング・女子エペ団体
▽朴泰桓=競泳・男子200㍍自由形
▽朴泰桓=競泳・男子400㍍自由形
▽朱世嚇、呉尚垠、柳承敏=卓球・男子団体
▽李大勲=テコンド・男子58㌔級
▽韓淳=ボクシング・男子ライト級
銅メダル
▽全希淑、鄭吉玉、南賢喜、呉ハナ=フェンシング・女子フルーレ団体
▽鄭真善=フェンシング・女子エペ個人
▽崔秉哲=フェンシング・男子フルーレ個人
▽呉真爀、林東賢、金法旼=アーチェリー・男子団体
▽準好=柔道・男子66㌔級
▽鄭在成、李龍大=バドミントン・男子ダブルス
▽サッカー男子
(2012.8.15 民団新聞)