「みんだん生活相談センター」が大阪と北海道で相次いで開設された。今日まで36年間、弁護士による「生活相談室」を継続してきた愛知でも22日から「生活相談センター」に加わり、一層のパワーアップを図る。これで地方の「みんだん生活相談センター」は、既存の岡山、宮城、福岡を加えて6カ所に増え、全国の公館所在地をほぼカバーすることになる。
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大阪 法律相談テコに
「みんだん生活相談センター/大阪」の開設式は11月29日、金昭夫センター所長(民団中央本部副団長)と呂健二同副団長の出席のもと、大阪韓国人会館で行われた。
民団大阪本部では山崎忠志弁護士が同本部の専門相談員として、70年代から法律相談を一手に担ってきた。こうした実績をもとに今後は生活相談センターに衣替えする。
専門相談員には山崎弁護士に加え、新たに同胞の若い弁護士、税理士、司法書士、行政書士が委嘱を受けた。相談分野は法律ばかりか税務、不動産、在留資格などに広がる。鄭鉉権団長は「より一層充実した団員サービスにつなげていきたい」考えだ。センター長には呉華燮副団長が就任した。
金文成司法書士は「日本人と違う在日の独特な各種問題の相談を受け、解決できるのは民団だけだ。同胞のために努力していく」と抱負を述べた。
鄭相憲行政書士は長年、外換銀行済州支店に勤務してきた。実は在日同胞の財産が相続を受けられる家族も知らないまま本国内の銀行の貸金庫に眠っている例が多いのだという。鄭行政書士は「こうした問題の解決にも努力していきたい」と述べた。
金田康良(金芳行)税理士も「1〜2世の相続は非常に難しい問題が含まれているので、正確な対応を心がけたい。日本の国外財産制度に関しても積極的に広報していきたい」と意欲的。
最後に金喜朝弁護士が、「お互い専門分野で協力しながら、正確な情報を同胞に伝えていきたい」と締めくくった。
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北海道 18日に第1回
「みんだん生活相談センター/ほっかいどう」は11月28日、北海道韓国会館で開設式。民団中央本部から金昭夫センター所長(副団長)が駆けつけた。
専門相談員を務める上野八郎弁護士は、札幌日韓親善協会の副会長も兼ねており、これまでにも民団や総領事館からの事件・事故などの相談を受けてきた。「これからは定期的に民団北海道本部に出向いて相談を受けたい。このような意義あることを行うことで日韓親善に寄与していきたい」と述べた。
民団北海道の任泰洙団長は、「相談センターの開設をきっかけに、より一層体系化された相談窓口になるようにしていく。団員だけでなく留学生をはじめとした新定住者からの相談にものれるよう、各種広報物を作成していきたい」と語った。
第1回相談日は18日13〜16時を予定している。来年からは第3木曜日を相談日にする予定。
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協力体制構築へ初の実務者会議
みんだん生活相談センターの全国化にともなう各地実務者による初の会議が5日、韓国中央会館で開催された。中央本部、北海道本部、宮城本部、愛知本部、岡山本部から担当者合わせて7人が出席した。
今回の会議は各地相談センター間相互の協力体制を築いていくことを目的としている。
各地の活動報告によれば、中央は専門相談員45人を抱え、相談件数は年間約900件にのぼる。宮城は開設からちょうど1年。国籍や家族登録法に関する相談が圧倒的に多いという。岡山は月2回の相談を来年からは3回に増やしていく。
愛知の姜裕正局長は、「生活相談センターに衣替えすることで、運営ノウハウの拡充、情報の共有、担当弁護士の交流拡大に期待している」と述べた。これを受けて、全国の専門相談員の交流を図っていくことで参加者の意見が一致した。
(2014.12.10 民団新聞)