【大阪】大阪府内の民族学級・クラブで学ぶ在日同胞児童のための共通教材『セクトンナルゲ』がこのほど完成した。民団大阪本部(鄭鉉権団長)と大阪韓国教育院(宋鍾錫院長)による共同製作。府内の公立学校に民族学級・クラブが設置されてすでに60余年経つが、現場に則した、体系化された共通教材の誕生はこれが初めて。
まず小学生向け2種
韓国語を初めて学ぶという小学校低学年向けの『1』と同高学年向けの『2』の2冊組み。いずれも、1年間30数回分の授業時間を想定した分量となっている。
「ウリマル」「文化」「音楽」の構成は『1』『2』とも共通。『2』ではさらに「歴史」が加わる。『1』『2』ともカラーの写真やイラストが満載で、見ているだけで楽しくなる。付録の「よくできました」「頑張りましょう」のシールは子どもたちのやる気を引き出しそうだ。
執筆に協力したのは現場で日々、子どもたちに接している民族講師15人。昨年10月から週に一、二度のペースで民団大阪本部に集まり、本の題名、キャラクター、字の大きさなどを決めてきた。
細部でも、韓国語と文化担当のチームにわかれて、言い回しなど児童の目線に立った検討と修正を繰り返してきた。民族講師のなかには家に持ち帰って深夜まで作業し、できあがった原稿をメールで送信してきたという例も見られた。
民団大阪本部は執筆にあたった各民族講師たちと連絡をとりあいながらできあがってきた原稿をチェックし、韓国の出版社との調整を重ねてきた。また、大阪韓国教育院は主に監修を担当した。
題名の『セクトンナルゲ』には、「オリニたちが大きな夢・高い理想に向かって、つばさに乗り、力強く飛翔してほしいという願い」を込めている。できあがった教材は大阪府内を中心とする各地の民族学級・クラブ、「土曜学校」など117カ所に3年分を想定して贈呈した。
民団大阪はさらに、今回の教材に則した映像教材、および中学生用の新教材も今年度中に制作を予定している。
(2012.8.29 民団新聞)