今年100歳以上を迎えた長寿団員は、1都15府県で昨年を上回る42人を数えることが民団中央本部の集計で明らかになった。地方別では大阪の21人が最多。このほか兵庫に5人、東京と愛知が各2人だった。最高齢は林又允さん(兵庫、女性)と高仁芝さん(大阪、女性)の各104歳。民団中央本部は13日、各地方本部を通じて全員に祝賀金を贈った。
「敬老会」各地で心からもてなし…民団、婦人会など主催
在外選挙人登録も…公館所在地
「敬老の日」を祝う催しが各地で開かれている。出席者は大部分を解放前に生まれた2世が占めており、1世は少数派に。主催の各地民団、婦人会では心づくしの韓国料理を準備し、解放後の在日同胞社会発展の原動力となってきた労をねぎらった。12月の韓国大統領選挙に向け、公館所在地ではその場で、在外選挙人登録を済ませる姿も多く見られた。
韓国民謡で祝う
婦人会東京本部(河貴明会長)は11日、韓国中央会館で今年で14回目を数える敬老行事「東京長寿会」を開催した。都区内一円から75歳以上のお年寄り97人が参加した。
米寿(88歳)以上の参加者12人には婦人会役員からお祝いの花束や記念品が贈られた。婦人会の有志もカヤグムを演奏し、韓国民謡を歌って祝福した。最高齢の参加者は94歳の宋石鎬さん(墨田)だった。
パスポートを持参した参加者は開会を前に選挙管理委員会職員の案内を受け、在外選挙人登録も済ませた。
民団神奈川・川崎支部(柳菊子支団長)は8日、川崎韓国商工会議所(丁好勝会長)、婦人会川崎支部(具京夏会長)との合同で、支部会館「民団コミュニティーセンター」に75歳以上の同胞高齢者を招いた。
約70人が参加。婦人会会員が準備したゆで豚肉、キムチ、韓国餅などと温かい肉スープに舌鼓を打ちながら歓談。カラオケに合わせて歌い踊った。
来賓として民団神奈川県本部の趙龍済監察委員長、楊東順婦人会神奈川県本部会長、李彰熙横浜総領事館領事らが参席。田中和徳衆議院議員(自民党)、坂本茂・日韓友好川崎市議会議員連盟会長(自民党)をはじめ、地元選出の県議会・市議会議員(自民、公明、共産党)らもお祝いに駆けつけた。
民団神奈川・横浜支部(徐玉出団長)は15日、75歳以上の同胞を招き、県本部会館大ホールで開いた。婦人会(盧在順会長)、青年会(李健司会長)、戸塚分団、金沢分団との共催で約90人が参加。婦人会が準備した韓国料理を中心に歓談、カラオケなどを楽しんだ。
来賓として民団神奈川県本部の金利中団長、李壽尊横浜総領事らが参席。金団長は、12月の大統領選挙投票参加のための選挙人登録の重要性を強調し、一人でも多くが登録するよう協力を呼びかけた。
このほかに、15日に南武支部(申正三支団長)、16日には鶴見支部(鄭千壽支団長)でもそれぞれ敬老祝賀会が開かれた。
再会を喜びあう
婦人会千葉本部(金英禮会長)は12日、70歳以上の高齢者を市内のホテルに招き、「壽」と刺繍された赤いちゃんちゃんこで祝った。県内各地から53人が出席。「こういうときじゃないと会えない」と久しぶりの再会を喜びあった。
「敬老チャンチ」の名前で親しまれており、今年で38回目。婦人会中央本部から出席した余玉善会長が韓国大統領選挙への参与を呼びかけ、最高齢者の呉鳳壽さん(90、市川支部)に記念品を手渡した。
婦人会の有志2人が流浪風刺乞食「カクソリ」に扮し、コミカルなパフォーマンスで会場を沸かせた。このほか、招待客を心からもてなす歌とお踊りも婦人会の役員全員で披露した。
民団宮城本部(李根団長)は12日、韓国会館6階大ホールでもてなした。敬老団員40人が出席し、婦人会宮城本部(李京子会長)の用意した心づくしの料理を味わった。
テーブルには韓国弁当、赤飯、餅、ユッケジャンスープ、ナムル、キムチ、刺身が並んだ。出席者は「豪華ねぇ」「美味しくて毎年楽しみ」と、思わず笑顔。最年長の金永熙さん(89)はじめ、喜寿、傘寿のお年寄りに記念品が手渡された。このほか、出席者全員に韓国農協提供のホバック(ミニかぼちゃ)や記念写真などが贈られた。第2部は韓宇景・歌謡ショーを楽しんだ。整体師の蔡春基氏による無料マッサージコーナーも人気を呼んだ。
終了後、出席者4人が大統領選挙人登録を希望したため、民団職員が仙台総領事館まで案内した。4人は「これから候補者を調べて、一緒に投票しよう」と話していた。
民団大阪・生野南支部(金哲弘支団長)は9日、70歳以上の高齢者60人余りを同支部会館でもてなした。
婦人会生野南支部(梁貞烈会長)が手作りのナムル、チヂミ、肉類を準備。テーブルの隅々から「おいしい、おいしい」との声が聞かれた。70歳を迎えたあるハラボジは、「韓国の経済発展には感無量です。特にソウルオリンピックを終えてからは私の貿易事業もやりやすくなりました」と感慨深げな表情だった。
終了後、参加者15人が民団役員の案内で駐大阪総領事館まで赴き、在外選挙人登録を済ませた。
オリニがお祝い
民団大阪・布施支部(張守男支団長)の敬老会には70歳以上の160人が参加。16日、同支部で久しぶりに顔を合わせた旧友との再会を喜び合った。
婦人会布施支部(文秀子会長)が準備した韓国料理と赤飯を心ゆくまで味わいながら、昔話に花を咲かせていた。同支部の「オリニバン」に通っている子どもたち12人が、民族衣装で舞台に上がり、サムルノリを演奏。「いつまでも元気でいてください」と大きな声で呼びかけた。
張支団長はあいさつで、12月の大統領選挙に触れ、積極的な参与を呼び掛けた。東大阪市の野田義和市長もお祝いに駆けつけた。
(2012.9.19 民団新聞)