【ソウル】光復節に合わせてソウル歴史博物館企画展示室で開催中の在日韓人歴史資料館ソウル特別展「列島の中のアリラン‐在日同胞100年‐」(東北亜歴史財団、ソウル歴史博物館との共催)の会期延長がこのほど、決まった。当初9月30日までの予定だったが、引き続き10月7日まで展示される。
会期1週間延長‐10月7日まで‐
秋夕の連休に合わせ
会期の延長は「秋夕の連休を利用してたくさんの観客に見てもらえる」と、共催の韓国側から要望があった。在日韓人歴史資料館の姜徳相館長は、「われわれの考えていた以上の反響に驚いている」と話す。特別展は08年の大阪から始まって名古屋、福岡と続いてきたが、韓国での開催はこれが初めて。民団中央本部と新韓銀行が後援。
会場は「植民地国民として」「他郷暮らし」「差別撤廃のために」「いつでも心は故郷に」「逆境を超えて」の5つのコーナーで構成。異国での厳しい偏見や差別と闘い、祖国とのつながりを大事にたくましく生きてきた在日同胞の解放後から今日までの道のりを概観できるようになっている。
展示した各種生活用具と史・資料は987点。世界的なバイオリン製作者、故陳昌鉉さんの製作した「木曽号」も展示している。かつて日本で暮らした体験を持つお年寄りの中には、懐かしさに思わず拍手する姿も見られた。若い世代も、88年ソウル五輪当時の在日同胞の全面的な支援に、「初めて知った」と驚いた表情。なかでも、力道山の勇姿や、プロ野球で活躍した張勲選手のユニホームには世代を超えた関心が集中していた。
このほか、姜館長が40年間に渡って収集してきた錦絵関連資料174点も注目を集めていた。映画も「にあんちゃん」「家族シネマ」など8編が連日上映された。会場のソウル歴史博物館は鍾路区セムナンギル50。入場無料。2学期が始まり、社会科研修の一環として、学生たちの団体観覧も予定されている。
(2012.9.5 民団新聞)