在日韓国商工会議所(韓商連)の洪采植会長が就任してから4カ月余。「一般社団法人在日韓国商工会議所」(以下「一般社団」)の崔鐘太・朴忠弘一派によって引き起こされた混乱の沈静化に奔走し、地方韓商との一体感を高めつつある。そのような中で、民団から除名された崔・朴両氏は本国でも誹謗・分裂策動を繰り広げた。誤解を解くべく、韓商連会長団は大韓商工会議所などを表敬訪問し、「韓商連は民団の傘下団体として結束している」ことを強調した。この間の経緯を洪会長に聞いた。
50周年機に結束強化
「民団とは一体化」内外に示す
−−本国表敬訪問の成果は。
呉公太民団中央団長に同行してもらい、大いに力になった。というのも、韓商が民団の傘下団体であることすら知らない要人もいたからだ。今回の訪問を通じて、韓商連と民団が一心同体の組織であることを強調したので、よく理解してくれたと思う。
−−第11回世界韓商大会(16〜18日、ソウル)には崔鐘太・朴忠弘一派も参加するらしい。
共同主管である在外同胞財団の金慶根理事長、毎日経済新聞の張大煥会長らもとまどいを見せていた。この大会には個人資格で参加できるので、拒む理由がないからだ。韓商連として、除名された者と同席はできないと訴えたところ、「その点は配慮する」とのことだった。
−−崔・朴一派は本国でも混乱を引き起こしているのか。
彼らは「一般社団」が在日同胞の代表であるかのように宣伝して回っているようだ。一般社団法人は公益法人とは異なり、申告さえすれば誰でも取得できることを説明した。
われわれ在日同胞は本国との関係を大切にし、信頼関係を築いてきた。それを彼らが在日同胞社会にとどまらず、本国でも恥の上塗りをしていることに怒りを覚える。時間の経過とともに本国でも実態を知ることになり、相手にしなくなるだろう。
−−13年ぶりに韓商連の会長に就任した感想は。
周囲からは「いまさら苦労しなくてもいいのに」と言われたが、混乱を早く収拾するのが責務と感じた。韓昌祐執行部の時に副会長を務めたが、韓会長が会員を増やし、全国組織としての基盤を築いた。機関誌「架け橋」を創刊したのもその時だ。崔鐘太一派が公金とともに機関誌まで勝手に持ち出したのだから、盗っ人猛々しいとはこういうことだ。50年の歴史を彼らが簡単に踏みにじった。
−−地方韓商が徐々に落ち着き始めているが。
地方韓商の総会には努めて顔を出した。栃木や福岡なども復帰したが、26地方韓商のうち、態度を表明していないのは近畿地域の大阪、兵庫と岡山、広島だ。9月には長野韓商が発足した。
−−長野では崔・朴一派による悪質な妨害文書が流れたと聞いた。
地方韓商や民団は地域との共生に努めているのに、設立に際して警告文を送りつけただけでなく、長野県下の県会議員や商工会議所にまで同様の文書を送付したというから、開いた口がふさがらない。なぜここまでやるのか、理解しがたい。自分の家族や周囲の人にも嫌な思いをさせるだけではないか。負け犬が吠えているとしか思えない。
−−節目を迎える地方韓商が多い。
宮城が今年で60周年を迎えるのをはじめ、来年は大阪が60周年、神奈川が50周年だ。韓商連は来年、50周年式典を行う計画だが、それまでに一応のめどをつけたい。
崔鐘太執行部になってから本国の政治家を顧問に推戴するようになった。韓商を自分の野心のために利用しているとの批判が出たのも当然だ。
人と人との出会いから、情報交換を通じてビジネスチャンスが生まれる。韓商をそうした本来の姿に一日も早く戻すよう力を注いでいく。
(2012.10.3 民団新聞)