掲載日 : [2018-10-31] 照会数 : 6940
無形文化財の「京畿民謡」伝授合格者が発表会…11月9日大阪で、呂英華芸術院
[ 韓国人間国宝の李春羲先生を迎えての学院の公演で京畿民謡をうたう ] [ 試験を受けに行くときの5人と呂英華院長(右から3人目)=関西空港で ]
日本人・糟谷さんも
韓国国家無形文化財第57号「京畿民謡」伝授者の発表会が11月9日、大阪韓国文化院ヌリホール(北区)で開かれる。
出演は、今年7月にソウルで行われた京畿民謡の伝授者試験に合格した、呂英華韓国伝統芸術院(大阪市東成区)の院生である金連淑さん、李順載さん、糟谷尚子さん、孔弥希さん、金優燕さんの5人。同院で10年以上、学んできた。
京畿ソリ(歌)の特徴は、澄んでいて繊細なことだ。代表的なものとしては「十二雑歌」と「京畿民謡」がある。
伝授者とは、履修試験を受ける前の資格のこと。京畿ソリの特異な発声を会得するまでには多くの時間がかかる。
今回、同院から初の伝授者が5人も出たことについて呂英華院長は「困難な環境のなかで、歌詞の意味が分からないものは一つひとつ翻訳し、難しい雑歌の勉強をする姿がいじらしかったが、よく耐えてくれたと感心しています」と語った。
糟谷さんは「歌が好きだという気持ちだけで韓国民謡を勉強し始め、しかも民族の違う私がここまで深く関わることになるとは思っていませんでした。伝授者になり、そのことに何かしらの意味深いものがあると感じています」と思いを話す。
そして「伝統芸術とは、はるか昔から伝えられ、未来に伝わっていくものです。その太古から未来の線上に立っている自分自身の役割をしっかりとかみしめ、未来に役立つ仕事ができるよう、これからも励んでいきたいと思っています」と決意を新たにした。
慶尚北道大邱市出身の呂英華院長は、8歳から韓国伝統舞踊を習った。韓国での活動を経て来日し、1990年11月に同院を設立した。その後、京畿民謡の人間国宝である李春羲さんに師事、日本在住者初の京畿民謡履修者となった。
伝授者発表会は13時開演。入場無料。事前申し込み不要。当日13時までに会場集合。プログラムは金剛山打令、太平舞、密陽アリラン、舟歌ほか。
問い合わせは同院(電話/FAX06・6971・6711)。
(2018.10.31 民団新聞)