掲載日 : [2005-01-19] 照会数 : 7746
パク・トンハ 日本で奮闘中(05.1.19)
舞台・TV・ハングル講座
時代と向き合って
韓国ミュージカル・スターという未来を嘱望されながら日本で俳優の道を選んだパク・トンハ(朴東河)さん。「日本で活躍する韓国人俳優」の思いを聞いた。
日本で俳優業をしようと思ったのは「ブロードウェイ」「ウエストエンド」のようにひとつのジャンルとしての日本ミュージカルにひかれたからです。日本は歌舞伎やミュージカルの舞台メカニズムが魅力的ですね。オーディションを受けて劇団四季に歌唱パートでの入団が決まり、00年12月31日に成田空港に着きました。日本語学校に行くべきだったんですけど、時間がなくて独学で日本語を学びました。稽古場での練習や台詞が勉強になるんです。今の稽古で例えるなら「鹿児島県鹿屋基地で……」という台詞があると、そこがどこなのか日本地理の勉強にもなる。自衛隊の中隊長役であれば、どんな立場の人間なのか、という分析もする。僕のように日本で俳優活動をするなら日本語のチェックはちゃんと受けないといけない。一般の方にいつも僕が言うのは「言葉は楽しんでください」ということです。
最近は「グローバル時代」といわれていますが、歴史は歴史として認識し、今この時代を考え、どこにいようと自分の前にある事、自分の前にいる人を最優先すべきだと思います。
僕はチャンスがあれば在日韓国人の皆さんの心の内も「韓国人の日本俳優」としてお芝居や映画で演じてみたい。
僕はデビュー以来、ミュージカルと縁が深く「ミュージカル俳優として勉強すれば後々何でもできるじゃん」とダンス、歌、舞踊、ピアノもずっと続けた結果、今は「俳優」として通用している。外国人が成功を目指すのは大変だと思うけど、自分が成功しようとするからこそ成功できると思うし、失敗してしまうと思い込むとその通りになると思います。
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パク・トンハ(朴東河)
74年、ソウル生まれ。84年「サウンド・オブ・ミュージック」で子役としてデビューし舞台、TV、CMなどで活躍。01年から02年まで劇団四季ミュージカルに出演した。04年は東宝ミュージカル「エリザベート」にルドルフ役で出演。03年から出演中のNHK教育「アンニョンハシムニカ ハングル講座」が好評放映中。公式サイトは
http://paku-tongha.com/
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パク・トンハ初演劇「歩兵の本領」の概要
70年代の日本を舞台に描く、自衛官となった不器用な若者たちの青春グラフィティー。浅田次郎原作「歩兵の本領」を、韓日合作舞台劇「東亜悲恋」を手がけた和田憲明の脚本、「海峡を渡るバイオリン」の杉田成道の演出で舞台化。窪塚俊介、高橋一生、森本亮治、的場浩司ら豪華キャストでおくる。
▽1月21日〜2月6日/東京・新宿紀伊國屋サザンシアター、チケット7500円。各プレイガイドで発売中。問い合わせはアール・ユー・ピー(℡03・3372・6283)。
(2005.1.19 民団新聞)