掲載日 : [2019-10-25] 照会数 : 7515
W杯8強入りに貢献 韓日の懸け橋夢は現実に…韓国出身、具智元日本代表
[ ワールドカップの対アイルランド戦でタックルを受けながら突進する具智元(写真=聯合ニュース) ]
ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会で、日本代表はロシア、アイルランド、サモア、スコットランドの強豪国を破り、史上初の8強入りを果たした。
この勝利に貢献したメンバーの一人が、韓国籍の具智元(25、ホンダ)だ。183センチ、122キロという恵まれた体躯の具は、スクラムの要として強豪国の選手を押してきた。
彼の父親である具東春も元韓国代表のプロップで、ホンダでも活躍した。兄の具智充も現在ホンダで活躍している現役ラガーマンだ。
具選手は1994年、韓国ソウル生まれ。兄とともに小学6年生からラグビーを始めた。中学1年の時、2人で1年間、ニュージーランドのウェリントンカレッジに留学したのは、「いい環境でラグビーをやらせたい」という父の思いからだ。
その後、大分県の公立中学に編入。日本文理大学附属高校卒業後、拓殖大学に入学した。同大在学中から、国際リーグ「スーパーラグビー」に2016年から参加しているサンウルブズで右プロップとして活躍。タックルの強さも当時から定評があった。17年からホンダに所属。同年11月のトンガ戦に日本代表初キャップを獲得した。
具選手にとって日本代表があこがれの対象になったのは、15年W杯の南アフリカ戦だった。24年間、RWCで勝ち星のなかった日本が世界ランキング3位の南アフリカを34対32で破る大金星。この時、拓殖大学の3年生だった。
具選手が日本代表を目指すと父も応援してくれた。今、韓国と日本の間には問題が山積しているが、「韓国人の僕も日本代表として応援してもらえる。本当にいい環境でラグビーをやらせてもらっている」。
具選手は13日、A組最終戦のスコットランド戦前半21分、負傷により無念の交代となり、ピッチを去る時、目に涙を浮かべた。 ネットでは「日本の為にありがとう」「君こそ最高の侍」といったエールが広がり、再生回数は90万回を突破した。
「ラグビーを通じて韓日の懸け橋になること」と話す具の夢は現実のものになっている。
(2019.10.24 民団新聞)