「映画&ドラマ祭」準備
在特会(在日特権を許さない市民の会)の過激なデモなどで、遠のいた客足を回復するため、東京・新大久保「コリアタウン」地域の有力者、飲食店関係者らで計画したイベント「第1回新大久保映画&ドラマ祭2013(仮称)」の企画発表会が6月20日、同地の「KーStage O!」で開かれた。
同イベントは当初、デモなどで地域が停滞していく様子に心を痛めた新大久保語学院院長の李承さんが、「自分たちで何かしなければ」という切実な思いから、映画祭の開催を企画したのがきっかけ。
昨年3月、李さんをリーダーに、韓国コンテンツ振興院日本事務所所長の金泳徳さん、字幕・翻訳も手がける神田外語大学非常勤講師の本田恵子さんが企画会議を開いた。
5月の3回目の会議では、釜山国際映画祭などに関わった原田徹さんと水科哲哉さん、本田さんによって事務局が結成された。新大久保映画祭準備委員会発起人には23人が名を連ねる。地域の有力者や飲食関係者、地域を盛り上げたいという有志たちで構成されている。
映画祭の話が加速したのは、原田さんら映画関係者が加わってからだ。当初は映画祭だけを考えていたが、実は韓流の発信地でもある新大久保は、映画やドラマ祭の開催のために必要な3大条件がそろっているという。
各地で開催される既存の映画祭を分析すると、テーマ重視、地域興し重視、国際性重視に分けられる。新大久保エリアは、「異文化共生の街」というテーマ性、地域興し(地域活性化)、国際色豊かな地域(国際性)という要素がそなわった街だ。
「新大久保映画&ドラマ祭」は、映画、ドラマ、K−POPの3本柱が決まった。各コンテンツの特徴を出しながら、集客増を目指す。
日本未公開映画と新作ドラマの特別上映を中心に、新大久保の各エリアで関連イベントや招請ゲストのトークショーを開催するほか、街頭に企業団体ブース、映画&ドラマ祭広報ブースを設置して、街全体を「お祭りムード」で活気づかせるのを目指す。
日程はA案の10月11日から4日間、B案の11月1日から4日間、C案の14年の韓国旧正月にあたる1月30日〜2月2日まで。C案はMBC JAPANとの共催で、韓国の多彩な伝統文化なども紹介。共催になるかは今後、議論を重ねていく。
発表会当日、共同実行委員長に李承さん、在日韓国飲食業協会会長の李義炯さんら4人が決まった。李承さんは「この街は第2の故郷。それは2世の子どもも同じです。この街を誇れる故郷にするために、この映画・ドラマ祭をその一環としてやっていきたい」と話した。
新大久保映画&ドラマ祭事務局では、幅広く協賛を受け付けているほか、さまざまな形の支援も歓迎している。
(2013.7.3 民団新聞)