東京・新宿区のパムアギャラリー(代表・張羅美さん)が入居するビル地下1階に、コンサートや展示会などに利用する専用スタジオ(34席)が16日、オープンした。美術と音楽の好きな人たちが気軽に集まる文化サロンを目指す。20日まで、スタジオオープン記念イベント開かれている。
身近な韓日交流めざす
スタジオをサロンに開放
張さんは「美術も音楽も、脳を刺激して人を幸せにするという点では同じ。美術と音楽のコラボレーションを通して、人が癒されるのを目的にしている」と話す。今年は、スタジオオープンに合わせて演奏会を行う。
そのメーンは、韓国のカヤグム奏者、ハン・テラさんの演奏会だ。ハンさんは5歳からカヤグム、パンソリ、伝統舞踊などを修練した。韓国国内のさまざまなコンクールで受賞、国内外でのソロリサイタルやオーケストラ共演のほか、海外国際芸術祭に参加するなど、新世代の演奏家として注目を集めている。
ハンさんとは昨年、紹介で知り合った。張さんが企画し、毎年開いている「ライフ・イズ・ミュージック」は、音楽を絵で表現した作品を紹介する展覧会。その展示会で初めて行ったハンさんの演奏会は反響を呼んだ。
張さんは来日前、ソウルで出版社を経営。上智大学大学院でジャーナリズムをもっと深く研究したいと渡日した。後日、絵を習っていた先生から「日本で展示会がしたい」という相談があった。だが会場を探しても見つからない。「是が非でも韓国の作家を日本で紹介しよう」と決意、07年に東京・渋谷区の代官山で同ギャラリーをオープンした。当日は、モンゴルの馬頭琴奏者を招待し、演奏を行った。
3年前、現在の場所に移転。多くの人たちがアートに触れられるようにと喫茶店(1階)を開いた。2階がギャラリースペースなので、客は気軽に覗くことができる。
現在、韓国の作家を日本で紹介するだけではなく、1年に2回、日本人のアーティストも韓国で紹介している。「相互交流を深めている。民間レベルでの交流は大事。日本に来て、いい方たちとたくさん出会った。それは私の財産」
張さんにも知らない韓国の伝統文化はある。それを一つひとつ知ることはエネルギーになるとも。「美術も音楽も生活の中になければいけないと思っている。だから私は身近なところで、文化に触れる機会を提供している」。多忙を極めるが「楽しいからストレスがたまりません」と笑顔を見せた。
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オープン記念イベント
【師匠と弟子陶磁器展】20日まで。(最終日17時まで)。
師匠展=金シマン韓国誠信女子大学校工芸家教授。約600年前の粉青沙器技法を用いて現代的な感覚で制作した作品18点を展示。会場は2階展示室。
弟子7人展=陶芸作品15点を展示。地下スタジオ。
【ハン・テラ演奏会‐韓国芸者の舞、歌、楽の世界】18・19日19〜21時。20日18〜20時。入場料3000円。地下スタジオ。
【ハン・テラ衣装展】22日11〜19時。2階展示室。17時からハンさんによる韓国伝統衣装の説明会と展示された8点の衣装のファッションショー。参加費1000円。
問い合わせは同ギャラリー(℡03・5829・8478)。