「未来ビジョン共同声明」発表
朴槿恵大統領と中国の習近平国家主席は6月27日、北京での首脳会談で北韓の核保有は認めないとの認識で一致、採択した「韓中未来ビジョン共同声明」で、「双方は有関核兵器の開発が韓半島を含む東北アジアおよび世界の平和と安定に深刻な脅威となるという点で認識を同じくした」と明らかにした。さらに「双方は韓半島の非核化実現および韓半島の平和と安定の維持が共同利益に合うことを確認し、このために共に努力することにした」と発表した。
習主席 「信頼プロセス」歓迎
首脳会談後に行った記者会見で、朴大統領は「我々両首脳はいかなる状況でも、北韓の核保有は容認できないという認識で一致した」と明らかにした。習主席は、朴大統領の「韓半島信頼プロセス」構想を歓迎し、南北関係の改善と緊張緩和のための韓国政府の努力を高く評価した。
両首脳は、北韓核制裁を内容とする国連安保理関連決議をはじめ、核兵器放棄を盛り込んだ6者会談「9・19共同声明」(2005年)を含む国際義務と約束が誠実に履行されなければならないという認識で一致。「双方は6者会談の枠内で各種形態の2者および多者対話を強化し、これを通じて韓半島の非核化実現などのための6者会談の再開へ、肯定的な環境がつくられるよう積極的に努力することにした」と共同声明に明示した。
地域・国際舞台での協力強化について、双方は「韓中日3国の協力が3国それぞれの発展にはもちろん東北アジアの平和と共同繁栄にきわめて重要」と評価。「3カ国首脳会議を頂点とする3国協力体制が安定的に発展していかなければならない」との認識を同じくし、今年第6回3国首脳会議が成功的に開かれるよう共同努力することにした。
また、両首脳は、アジア地域が経済発展と相互依存の拡大にもかかわらず、歴史などによる問題で域内諸国間の対立と不信が深まることに憂慮を表明し、域内の信頼と協力の構築という共通の目標の達成に向けて努力することで合意した。
これと関連して習主席は、朴大統領が提示した「東北アジア平和協力構想」について積極的に評価し、原則的に支持する立場を表明した。
さらに、両首脳は両国間の「戦略的協力パートナー」関係を信頼をもとに内実化させるため、①政治・安保分野での戦略的コミュニケーション強化②経済・社会分野での協力のさらなる拡大③両国民間の多様な形態の交流促進、特に人文分野の紐帯強化活動の積極推進などに合意した。交渉が足踏み状態にある韓中自由貿易協定(FTA)については、ハイレベルの包括的協定締結を目標に掲げることをあらためて確認した。
戦略的協力パートナー関係の内実化のための重点協力方案を具体的に履行するための「付属書」も採択。付属書には、両国の政治協力増進のために▽首脳および指導者の頻繁な相互訪問と会談、書簡交換、特使派遣、通話などで常時的コミュニケーションの推進▽韓国の青瓦台国家安保室と中国外交担当国務委員間の対話体制の新設▽外交部長官相互訪問の定例化およびホットラインの構築−−などが明示されている。
朴大統領は30日、4日間の中国訪問を終え帰国した。この間、28日には李克強首相、張徳江全国人民代表大会常務委員会委員長らとも会談。29日には「新たな20年に向けた韓中両国の信頼の旅程」をテーマに清華大学で演説した後、韓国大統領として初めて陝西省の省都・西安を訪問。韓国企業を視察したほか、陝西省幹部との懇談や史跡の視察などを行った。
(2013.7.3 民団新聞)