工費100億円、来秋開業
パチンコホール業界最大手のマルハン(韓昌祐会長、韓裕社長)は9日、東京都内で記者会見を開き、日本初の「韓流テーマパーク」(韓流タウン)を大阪市浪速区に建設すると発表した。旧フェスティバルゲートの跡地を再開発するもので、同社は「地元の商店街に活気を与え、韓日の理解が深まれば」と期待している。
理解を深める場
「マルハン大阪 韓流プロジェクト」によると、敷地面積約1万4000平方㍍に4階建ての商業施設を建てる。総工費は約100億円。今秋に着工し、来秋に開業する予定。
韓昌祐会長は「4年前に入札で落札し、何をするか検討を重ねた結果、韓日両国の理解に役立つものをと考え、韓流テーマパークに決めた」と動機について語った。
日本人記者から「韓日関係がぎくしゃくしているこの時期になぜか」との質問には、「両国は永遠に隣国同士、互いに理解しあうことが大切。『水と油』ではなく、『水と魚』の関係にするのが在日同胞の役目だ」と強調した。
文化の懸け橋役
韓裕社長は「韓流はブームを超えて、いまや日本に定着しつつある。韓国がたえずコンテンツを発信しており、韓流がアジア全域に広がりを見せている。今回は大阪の活性化に寄与するだけでなく、韓日の交流、文化の懸け橋役になることをめざしている」と述べ、新プロジェクト構想について説明した。
施設は、▽物販▽飲食▽食品▽多目的ホールの4エリアで構成される。コンセプトは「ようこそ! 韓流ファンの夢の街へ」。グルメや旅行、健康、ファッション、美容など、特に女性が興味を示すものを満たすワンダーランドをめざす。
1階に韓国式スーパーマーケット、2階に韓食レストランやカルチャーセンター、3階に多目的ホール(K‐POPホール)と韓国庭園、4階に事務所を設ける。多目的ホールは500席、立席で1000人を収容することができ、K‐POPコンサートやスターファンミーティングなどが行われる。
地域の新名所に
場所は、「世界の大温泉 スパワールド」が隣に面し、大阪のシンボル通天閣や天王寺動物園に近く、来春開業予定の阿倍野再開発「あべのハルカス」に隣接することから、アクセスの良い好立地にある。
韓社長は「大阪では再開発が数カ所で進行中だ。うめきた再開発の『グランドフロント大阪』は今春開業し、来年には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに『ハリー・ポッター』テーマ館が完成するなど、観光スポットとして注目を浴びている」と、相乗効果に期待感を示した。
年間来場者300万人、年間売上額50億円を見込んでいる。
今回のプロジェクトは、全国の18カ所の有名ゴルフ場とスポンサー契約を結んだ「太平洋クラブ」、東京・浅草の複合商業施設「マルハン松竹六区タワー」に続く新事業だ。マルハンの中期経営計画「チャレンジ2020」によると、20年までにパチンコホール以外の事業で売上額1000億円の達成を目標にしている。
(2013.7.17 民団新聞)