掲載日 : [2020-12-16] 照会数 : 6996
女性も碁を楽しんだ? 新羅古墳から碁石出土
[ 写真左が出土した碁石、右は装身具 ]
文化財庁・国立慶州文化財研究所は7日、オンラインでの記者懇談会で、慶尚北道慶州市地区の新羅古墳第44号の発掘成果について説明した。
同研究所のシム・ヒョンチョル研究員は「この墓から金銅冠、金製垂飾などの装身具、石臼、杵、雲母などとともに碁石が一緒に発見された」と語った。
第44号墳の主人公は、身長が150センチ前後の新羅の最上位階層の女性と推定される。金、銀、ガラス玉を4本に編んで勾玉を付けた胸飾りは、天馬塚のような最上階層で墓でのみ確認できるデザイン。また、金銅冠、耳飾りなどの装身具が小さく、未成年者である可能性が高い。
最も目を引いたのは、墓の主人公の足元から出てきた碁石で、直径1~2センチ、厚さが0・5センチ前後の小石で、加工した痕跡がなく、自然石をそのまま採取したものと推定される。
これまで新羅時代の碁石は皇南大塚南墳、天馬塚、金冠塚などの最上位階層の男性の積石木槨墳から出土した。歴史記録に男性だけが碁を打っていたという話はないが、これまでの発掘結果と通念上、囲碁は男性の専有物と認識されてきた。ところが、今回の発掘で、新羅の女性も碁を打っていたという解釈が可能になった。
同研究所のイ・ジョンフン所長は今後「副葬の櫃に積み重なっている遺物の全容を確認し、積石木槨墳の構造と築造過程を復元して、その結果を公開したい」と述べた。
(2020.12.16 民団新聞)