掲載日 : [2020-06-10] 照会数 : 7622
ハングル書芸で韓日交流の協会設立…カリグラフィーを入り口に
[ ハングル書芸の作品の前で崔尹禎理事長(左)と鄭明子副理事長(2019年10月川崎アートミュージアムで開かれたアラビア、ペルシャ、モンゴル書道との共同展示会で) ]
日本語によるハングル書芸本の発行をはじめ、韓国語やハングル書芸などのカルチャーセンターを運営する「AI Entertainment Inc.(アイエンターテインメント)」(東京・港区)は、先月15日に「日本ハングル書芸・カリグラフィー協会」(崔尹禎理事長)を立ち上げた。
同会の運営は、2012年からハングル書芸教室を開講し、毎年ハングルの日を記念し東京で「書×芸EXPO」を行うなど、日本でハングル書芸の普及に貢献してきた、アイエンターテインメント傘下のAICC(Asia Interest Culture Center)が担当する。
同会の発足について崔理事長は「今までの小さなサークル活動から、より大きい世界との社会的付き合いが増えていくという一連の流れのなか、もっとハングル書芸を分かりやすく、多くの人に知ってもらうための改革と既存の生徒を満足させるためのシステムの変化が必要だと感じた」と話す。
文字を美しく見せるための手法を指す、カリグラフィーについて崔理事長は「日本でいう『デザイン書道』に近いもの」と説明。記法や技術に縛られず、書を楽しむことが目的のジャンルで、書芸ができなくても表現は可能だが、書芸をベースに持つと表現の幅は広がるという。
AICCでの美文字講座がカリグラフィーとの関連性があり、崔理事長自身も昨年からカリグラフィー作家として活動しており、著書でも作品を紹介している。「何より日本の方が気軽にハングルを楽しめるもう一つの入り口になれば」とカリグラフィーを取り入れた。
正式会期が始まるのは9月から。1年目の第1目標は韓日両国で展示会を開き、発足の報告をし、両国での交流を深めることだ。そして、韓国での展示会では現地ツアーを企画し、韓国に拠点を置いている理事たちの講座を開き、さまざまな韓国の書芸現場を回ることも計画している。
AICCの多彩な文化講座から書芸団体として独り立ちするに当たって、一番重点を置いているのは書芸を通じた韓日民間交流、書芸技術を極めることだ。「理事長としての自分の役割は、書芸とカリグラフィーを媒介とした韓日のつながりを広げること」と崔理事長は強調する。
同会役員は、顧問=柳珍桓(前韓国文化院院長、前韓国文化体育観光部官僚)、理事長=崔尹禎(国際関係学博士、作家、カリグラファー)、副理事長=鄭明子(ハングル書芸家)、理事=キム・サンヒ(カリグラファー)、ユン・ミニョン(篆刻作家)、キム・ジンスク(デザイナー)、幹事=パク・スギョン(国際関係学博士)。
(2020.06.10 民団新聞)