掲載日 : [2020-06-26] 照会数 : 9205
慶北国体の1年延期を要請…中止の可能性も
[ 第101回韓国国体・慶北大会のポスター ]
1950年の韓国戦争初年度に中止されて以来、一度も欠かしたことのない韓国国内最大のスポーツ祭典である全国体育大会(国体)が今年、開催の危機を迎えている。
10月8日に亀尾市と慶尚北道一円で開幕が予定されている第101回大会の開催地である慶尚北道は10日、新型コロナウイルスの感染拡散を考慮し、大会を来年に延期してほしいと政府に要請した。
李喆雨慶北知事は同日午前、丁世均首相の主宰で開かれた「新型コロナウイルス中央災難安全対策本部」のネット会議で、「秋にコロナ再拡散の恐れがあるうえ、全国体育大会に選手などがコロナに感染する状況が発生してはならず、安全が最優先だ」とし、「防疫当局と文化体育観光部が話し合い、今年の大会を来年に延期する案を検討してほしい」と要請した。
慶北体育大会企画団では「約1500億ウォンが投入されるうえ、コロナ禍によって海外選手団が不参加になり、種目別に分散開催される片肺大会は避けたい」と示している。
ただ、大会の延期は簡単な問題ではない。来年の蔚山など2024年までの開催地が決まっており、順次1年ずつ滞ると、追加費用の発生など、利害関係が生じる。さらに、国体開催地が翌年の「少年国体」、翌々年の「生活体育大祝典」の開催地になっていることもあり、連鎖的に空転する恐れもある。
今年の少年体育大会の開催地であるソウル、生活体育大祝典の開催地である全羅北道は、大会中止を望んでいるという。
これに対し、文化体育観光部では来年の蔚山、再来年の全羅南道などの協力が必要だとし、大韓体育会と防疫当局、来年以降の開催自治体と協議して最善の方策を講じると明らかにした。
来年以降のメーン開催地は蔚山(21年)、全羅南道・木浦(22年)、慶尚南道・金海(23年)、釜山(24年)の順に決まっている。
国体を主催する大韓体育会では規定上、大会の中止は可能でも延期は不可能とし、無観客や規模縮小なども考慮した上で、可能な種目だけでも開催すべきとの立場を示している。
後援の文化体育観光部の朴良雨長官は14日、KBSテレビの日曜診断に出演し、「次期開催地が1年ずつ譲歩してくれれば良いが、地域別にそれなりに大会の準備をしている。来年以降の開催自治体の意見を聞いて解決策について議論しようと思う」と説明しており、大韓体育会や次期開催自治体と協議し今月末までには結論を出す方針だ。
韓国国体は過去100回の大会で延期された事例はなく、中止は日中戦争期の1938~44年、韓国戦争勃発の1950年がある。
第101回国体は10月8日から14日までの7日間、亀尾市民運動場など12の市・郡、71の競技場で17市・道と18カ国の海外同胞選手団合わせて3万人余りが参加する予定だ。
(2020.06.25 民団新聞)