掲載日 : [2018-06-27] 照会数 : 6131
「朝鮮朝時代の美を伝えたい」…高正姫さんが民画の個展
[ 出展した作品の前で語る高正姫さん ]
民画を中心にした高正姫さん(67)の個展「飛翔vol③」が20日から25日まで、東京・港区の麻布十番ギャラリーで開かれた。
同展は、朝鮮朝時代の民画の美しさを日本社会に知らせたいという思いから企画した。今回は風景画3点を含む計22点を出展。招待作家4人の作品も展示した。
高さんは、東京韓国学校中・高等部の元校監。美術教師として37年間勤めた。また在日本大韓民団婦人会東京絵画教室の特別講師として民画を指導してきた。
民画という言葉は、民芸運動の創始者である日本人の柳宗悦が使い始めたが、高さんは「民画は芸術性が高い」ことから2年前に「芸民画」と名付けて以来、そう呼んでいる。
作品は、朝鮮朝時代に宮殿の中で王が最も長く居を構えた景福宮をはじめ、岩(土地)、太陽(王)、月(王妃)、滝(民の命)、蝶(民の健康と幸せ)など、それぞれ意味を持つモチーフを描いている。
鳥の尾がピンと上がっているのは自分の願いが叶うことを意味するが、目を引いたのは、この鳥の羽に真珠の絵を書き加えたオリジナル作品だ。 「在日は大変な時代を生きて来た。これから末永く、日本で豊かな生活ができるようになってほしい」という意味が込められている。
25歳で来日。在日歴は42年になる。「民画を描くのは在日社会の使命感と思っている。これからも蝶のように健康で在日の方々に民画を教えていきたい」と話す。
(2018.06.27 民団新聞)