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「国書」の交換も…民団が協賛
【静岡】江戸時代の外交使節団「朝鮮通信使」の行列を再現する催しが10月20日、静岡市で行われた。韓日友好を願う地元のNPO法人「AYUドリーム」による恒例行事。民団静岡本部(金成根団長)が協賛した。
この日は雨のため、再現行列を屋外から興津生涯学習交流館に変更。団員15人を含む市内の幼稚園児から70代まで市民約120人が当時の衣装を身にまとい、朝鮮の「国書」を運んだ「輿」を中心とした行列をよみがえらせた。正使役に駐横浜総領事館の趙顕宰領事、副使に県本部の尹憲祚副団長、従事官には李光男副団長が担った。
また、通信使一行が立ち寄った清見寺ではおもてなし料理を再現。来場者100人を前に韓国語と日本語の通訳を介した「国書交換式」が行われた。このほか、サルプリ舞と日本伝統楽器の公演も披露された。
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青年会が先導役
290人規模で
【広島】古くから瀬戸内海航路の要衝として栄え、江戸時代の朝鮮通信使が11回も立ち寄ったことで知られる呉市下蒲刈町でも10月20日、当時の時代衣装を身にまとって「伝説のパレード」を現代によみがえらせるイベントが行われた。公益財団法人蘭島文化振興財団(渡辺理一郎理事長)、呉市教育委員会、中国新聞社による共催。
行列を先導したのは青年会広島本部のサムルノリ隊で、広島韓国伝統芸術院のメンバーが艶やかな民族衣装で舞いながら従った。その後を対馬藩士、旗手、軍官、正使(辛亨根駐広島総領事)、副使(李英俊広島議長)、従事官(白正美呉支部支団長)の御輿が続き、下蒲刈市民センターから下蒲刈中学校までの海沿いの道1・2�を約2時間かけて練り歩いた。
今年はこのほか、韓国・富川市の京畿国際通商高校の生徒や、釜山文化財団も演奏と舞踊で参加し、例年を上回る290人規模となった。
途中、休憩所の港で通信使一行を先導する船が大きなかけ声とともに入港すると、沿道から大きな拍手が送られた。
ゴール地点の下蒲刈中学校では、正使役の辛総領事と呉市の小林和年市長との間で「国書」の交換儀式を再現。同中学校の生徒がソーラン踊りを披露した。
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堺まつりに参加
地元民団支部
【大阪】民団大阪・堺支部(呉時宗支団長)は10月20日、第40回堺まつり(堺観光コンベンション協会主催)のメーン行事である大パレードに朝鮮通信使再現行列で参加した。李賢主駐大阪総領事や、天安市から来日した一行が声援を送った。
行列は民団堺支部の団員と婦人会員、金剛学園の児童生徒、民族学級に通う子弟ら230人で構成。大小路シンボルロード約2�を練り歩いた。同支部は第3回まつりから38年間、1回も欠かさず参加している。
呉支団長は「民族学校の生徒と民族学級のオリニたちにとっては、日ごろの練習を一般市民に披露でき、在日のアイデンティティーを高めることにもつながったと思う」と語った。
(2013.11.6 民団新聞)