同胞のつながりを再確認し、地域で韓日友好を促進するまつり、「10月のマダン」が各地で開催された。今年は同胞過疎地でも、これまで以上のにぎわいを見せている。韓国と日本がよりよい関係を築いてほしいとの在日同胞の願いが各地で実を結びつつあるようだ。
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韓流ファンとふれあい舞台
民団佐賀本部
民団佐賀本部(鄭清俊団長)が10月27日、佐賀市内交流広場(通称・ムツゴロー広場)で開催した「ふれあい交流マダン」は、「韓国が好き」、あるいは「韓国に興味がある」という日本人の女性や子ども連れを中心にぎわった。今年で8回目。
子どもたち10人1組で構成する5つのグループが次々とステージに立ち、元気なヒップホップ・ブレークダンスを披露した。福岡韓国婦人会コーラス部の出演が終わると、会場からはすかさず「アンコール」の声も。サムルノリグループ「ビビンタ・チャング教室」(朴康秀代表)による演奏には、参加者を巻き込んで会場に踊りの輪が広がった。
途中、韓国舞踊を勉強しているという日本人女性が飛び入りでステージに立ち、即興で「アリラン」を踊る場面も見られた。チャンゴ奏者があいの手を入れ、婦人会コーラス部はアカペラで雰囲気を盛り上げた。
韓服試着体験コーナーでは子ども服が特に人気を集めた。韓国屋台ではトッポッキ、チヂミ、焼肉、ホットック、ソコギクック(牛肉入りスープ)に長い行列ができた。
最後は佐賀‐ソウル線の往復航空チケットが当たる大抽選会で盛り上がった。
鄭団長は、「若い人から『マダンまたしてね』の声を聞いたときは元気づけられた。佐賀に『マダン』が確実に定着していることを実感した」と手応えを語った。
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キムチ講習と国楽公演盛況
民団米子支部
民団米子支部(金孝行支団長)は10月25日、韓日交流祭「韓日祝祭ハンマダン」を米子市内の同支部会館で初開催した。住民を対象としたキムチ漬けの講習会と、韓国の若手国楽芸術団「クンテッオウル」による無料公演の2本立て。
キムチ漬け講習会は地元紙で参加者を募ったところ、30人の枠に70人の申し込みが寄せられた。このため参加枠を50人まで拡大。受け入れることのできなかった人については次期開催を約束して丁重に断ったという。
2部からは団員も多く加わり、一緒になって歌や舞踊、パンソリなどの公演を楽しんだ。
この日、支部会館内は100人以上が出入りし、すれ違うのも困難なほどの雑踏を極めた。また、支部を訪れたのは初めてという行政関係者の姿も目立った。
今回のイベントは「地域住民に韓国文化を体感してもらい、お互いをよりよく理解する場になれば」という金支団長の発案だ。たまたま訪日していた江原道特産品輸出協会のメンバーも「民団での行事ならばぜひ」と見学に訪れた。
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京畿道とも協力民謡歌手が公演
民団神奈川本部(金利中団長)は10月19日、鶴見区の県立三ツ池公園で「コリアマダン」を開催した。主催はNPO国際協力センターで、共催は神奈川県議会日韓親善議員連盟。
県と友好提携関係を結んでいる京畿道から民謡歌手2人が来日し、ステージに立った。同じく、利川陶磁器体験も市民の人気を呼んだ。民団側は公園中心部のコリア庭園内で3回にわたって農楽を披露した。周囲では民団と婦人会、青年会、韓人会などが出店し、祝祭の雰囲気を盛り上げた。
コリア庭園が県と京畿道の友好提携を記念して建立されてから、来年で20年を迎える。
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多文化共生願い2年ぶりに再開
民団千葉本部(金鎭得団長)は3日、2年ぶりに千葉中央公園で開催。約3000人(主催者発表)が韓・日芸能人などによる多文化共生のステージを楽しんだ。
昨年は諸般の事情で中止に追い込まれた。今年は「こういうときこそやってほしい」という日本人関係者の声で開催を決めたという。金団長は「そのときはほんとうにうれしかった」とステージから感謝の言葉を述べた。
千葉市議会日韓親善友好議員連盟の森茂樹会長らが祝辞を述べた。民団中央本部を代表して呂健二副団長が呉公太団長のあいさつを代読。韓在銀監察委員長も激励に駆けつけた。
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カラオケで交歓ソウル賛歌共に
民団西東京本部(徐洪錫団長)は10月23日、静岡県熱海市の伊豆山温泉で団員42人が集まり、旧交を深めた。食事の席では婦人会が持ち込んだ手作りのキムチを分け合い、韓国焼酎を酌み交わして歓談した。
カラオケのメロディーに乗せて懐かしい韓国民謡が始まると、参加者が次々とマイクを握った。最後は徐団長を中心に輪を作り、「ソウル賛歌」の大合唱と踊りで締めくくった。
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韓国語受講生と韓日交流野遊会
民団宮城本部(田炳樽団長)は10月14日、スポーツランドSUGO(柴田郡村田町)で「10月のマダン」を開催。団員や民団宮城文化センターの登録者ら180人が、韓日交流野遊会を楽しんだ。宮城県日韓親善協会との共催。
会場にはバーベキューや焼きそば、芋煮のほか、子ども向けに今年初めて綿あめのコーナーもできた。アトラクションでは現役青年会員にOB、OGが加わって、迫力ある農楽を演奏した。
李凡淵駐仙台総領事が参加したカラオケコーナーや金東洙仙台韓国教育院長によるサックス演奏も好評だった。景品抽選会では多くの参加者が新米などを手にした。
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「韓日友情祝祭」新米抽選に歓声
民団石川本部(卞宗植団長)は10月27日、河北郡の内灘町サイクリングターミナルで「韓日友情祝祭」を実施。市民157人が地元で活躍する「ハンヌリ」のサムルノリとカルチュム(刀舞)、婦人会と同本部韓国語教室メンバーによる韓国民謡の数々を楽しんだ。
お昼は参加者に韓国料理とバーキューを提供した。新米の当たる景品抽選会には喚声が上がった。
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兵庫韓国学園生学習成果を発表
兵庫県内各支部の韓国学園による第18回連合文化祭が10月26日、神戸市内の会館で開かれ、学園生たちが日ごろの学習成果を発表した。民団兵庫本部、兵庫県韓国学園連合会、神戸韓国教育院が共催。約500人が詰めかけた。
午前中は韓国語初級、上級あわせて10人の弁士がスピーチ。午後は、民俗芸能公演としてサムルノリや合唱、寸劇、舞踊などで競いあった。
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映画など多彩にフェスタ3日間
「コリアンフェスタ in Okayama 2013」が10月25から27日まで3日間、岡山韓国会館を中心に市内で開かれた。主催したのはアジア国際センター。
映画「王になった男」の上映で開幕。会場のさん太ホールは主演のイ・ビョンホンのファンを中心に183人が来場した。このほか、14チーム56人が参加した「日韓友好マダン親睦ボウリング」、婦人会岡山本部による料理教室と、盛りだくさんの内容となった。
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行政関係者迎え日韓友好公園で
民団鳥取本部(薛幸夫団長)は12日、日韓友好交流公園「風の丘」に平井伸治県知事と地元琴浦町の山下一郎町長をはじめとして県議、市議、住民ら140人を迎え、「祝祭」を開催した。
「待風亭」の前方周辺にテントを7幕張り、椅子を並べて青年会広島本部のサムルノリサークルによるダイナミックな演奏を楽しんだ。
2部ではバーベキューパーティーで交歓した。肉とキムチは民団米子支部による提供。県本部・倉吉分団はおにぎり、飲料を持ちこんだ。
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多文化共生事業10周年の節目に
民団島根本部(李燮潤団長)は10月26日、松江市内のくにびきメッセ多目的ホールで実施。昨年を上回る400人が訪れた。今年は同本部が力を入れてきた地域密着型「多文化共生交流事業」が始まって10周年という節目の年だけに、県と松江市の行政関係者もお祝いに訪れた。
まず、8月に実施した「韓国スピーチ&ノレバンコンテスト」の最優秀賞受賞者が発表。さらに、韓紙・和紙衣装によるフアッションショーで会場が華やいだ。第2部では韓国のサムルノリグループ「クンデック・オウル」が訪日公演を行った。
(2013.11.6 民団新聞)