「人権」「国籍」「歴史認識」をテーマに全国でリレー開催している在日韓国青年会の市民公開講座が24日、東京、仙台、大阪、滋賀の4都市で同時開催された。
◆宮城
仙台シルバーセンターで開催した宮城本部(李東晋会長)の講座は60人あまりが参加。「韓日関係を見つめる〜歴史から学ぶもの、未来への展望〜」と題し、元朝日新聞記者で大林寺住職の齊藤泰彦さん、外国人被災者支援センター長の佐藤信行さんによる講演につづいて、東北学院大学の郭基煥教授をコーディネーターに講師2人と参加者によるパネルディスカッションで「韓日関係の未来への提言」を探り合った。
齋藤さんは護送・看守・処刑を通じた5カ月間、安重根義士を見守りつつ、敬愛するようになったという千葉十七(ちば・とうしち)氏について紹介。処刑直前に安義士が千葉氏に「為国献身軍人本分」との遺墨を贈った(持ち主が処刑から70年後、韓国に贈呈)等の秘話を述べながら「人と人の心の交流が大切。何よりも民間どうしが信頼しあうことが交流の基本」と呼びかけた。
◆東京
東京本部(李政訓会長)は民団中央会館に約70人が参加し、国籍と人権について意見交換した。第1部は在日3世のプロランニングコーチの金哲彦さんによるトーク。通名から本名、韓国籍への切り替えについて語った。
早大時代、箱根駅伝で「山登りの木下」の異名を誇る活躍をしたが、就職時に本名使用を決意。そのことで在日としてプライドを持つ軸足ができたと言う。その後、韓国五輪代表をめざし朝鮮籍から韓国籍に切り替えたが、「帰化して日本代表」には違和感を覚えたと述べた。
第2部はさまざまな国籍境遇を持つ4人が「国籍問題」を議論。「海外に出て初めて自国の良さが分かった」とする一方で、結婚相手については、「同じ国籍どうし」よりも「相手の中身を重視」が圧倒した。
◆大阪
大阪本部(金奈緒美会長)はリバティおおさかで「大阪から人権を」として開催。のりこえねっとの辛淑玉さん(人材育成コンサルタント)、金明秀さん(関西学院大学教授)を招き、ヘイトスピーチ問題も語り合った。
◆滋賀
滋賀本部(金英一会長)は大阪国際大学講師の金洪仙さんを講師に大津のピアザ淡海で「未だ根強く残る差別問題」と題して開催した。
(2013.11.27 民団新聞)