伝統儀礼を次代に…トルチャビで未来占う
【兵庫】子どもが生まれて初めて迎える誕生日をみんなで祝う「チョットルチャンチ」の慣習が10日、民団西宮支部(文粲喜支団長)で忠実に再現された。韓国の伝統儀礼を若い世代に伝えようと、同支部が毎年1回開催している学習会の一環。チュソク(秋夕)、ソルナル(正月)の各名節に行う茶礼、伝統婚礼儀式に続いてこれが4回目の開催。民団関係者や西宮韓国学園の受講生ら70人が参加した。
「チョットルチャンチ」は、子どもが無事に生後1年を迎えられたことを祝うもの。韓国では昔、乳児の死亡率が高かったことから重要なイベントとして受け継がれている。満2歳の誕生日にも「トルチャンチ」を行う。いまはホテルの宴会場やレストランを借りて行うことも多いという。
イベントに欠かせないのが「トルチャビ」だ。これは食膳の上に米、お金、本、筆などを置き、子どもがその中で何を取るかで、その子の未来を占い、幸せや長寿を願うというもの。
この日の学習会には李悠和君(4)と紗叡ちゃん(1)の兄妹、新納詩音ちゃん(1)の3人が真新しい韓服姿で登場。主役の登場に、学習会に参加した民団や婦人会関係者の表情が和んだ。
お膳にはバット、ゴルフボール、聴診器、おもちゃなどが置かれた。子どもたちは我先におもちゃやゴルフボール、聴診器と手に取り、満面の笑みを浮かべた。
詩音ちゃんの祖母の金貞守さん(同支部事務部長)は、「嫁も孫も初めてチョゴリを着るので、この日を楽しみにしていた」と目を細めた。また、悠和君と紗叡ちゃんの両親も「きょうの行事に参加でき、とてもうれしい」と語った。
この日の「トルチャビ」に先だって西宮韓国学園の金潤煥さんが、スライドを使って「チョットルチャンチ」の歴史と由来、今日的な意義などについて説明した。
(2013.11.20 民団新聞)