中道志向の40代に注目
与党・セヌリ党の朴槿恵候補と最大野党・民主統合党の文在寅候補、無所属の安哲秀候補の有力3者が大接戦(世論調査の支持率)を繰り広げている第18代大統領選挙(12月19日投開票)では、野党圏候補の1本化の行方に加えて、投票率が勝敗を分ける決定的な要因とみられている。世論調査専門家たちは、投票率が70%を超える場合は野党圏候補が、65%未満である場合は与党候補が有利と展望。65〜70%間の場合は大接戦になると予想している。
韓国の大統領選挙の投票率は1987年の第13代大統領選挙での89・2%をピークに毎回低くなっている。新千年民主党の盧武鉉前大統領が当選した2002年の第16代大統領選挙は70・8%だったが、ハンナラ党(現セヌリ党)の李明博大統領が勝利した07年の第17代大統領選挙の投票率は63・0%だった。
このため今回の大統領選挙の投票率が70%を超えるのは容易でないとみられている。ちなみに、今大統領選挙の「前哨戦」視され、野党側の「政権審判論」と与党セヌリ党の「逆審判論」が衝突した4月の国会議員選挙の投票率は54・3%だった。
こうしたなかで、世代別投票率が注目されている。近年の大統領選挙では、20代・30代は野党圏指向であるのに対して50代・60代は与党指向が明確であった。最近の多くの世論調査でも20代・30代は文候補や安候補支持が顕著で、50代と60代以上は朴候補支持が多数を占める。
しかも世代別に低年齢層は投票率が低く、高年齢層は高い。盧武鉉候補が当選した第16代大統領選挙(70・8%)での20代・30代の投票率は、それぞれ56・5%、67・4%。李明博候補の一方的勝利が予想された第17代大統領選挙(投票率63・0%)での20代・30代の投票率は46・6%、55・1%とさらに低かった。
行政安全部によれば、住民登録上の予想選挙人数は4043万6000人余り。このうち50代は約769万人で第17代の581万人よりは32・4%、第16代(約452万人)と比較すると70・0%も増えた。60代の有権者も約833万人で第17代(約680万人)より22・4%増えた。
低出産高齢化に伴い、50代以上の有権者は第17代より約341万人も増加したのに対し、20代(満19歳を含む)と30代の有権者は約736万人、約819万人で第17代と比較してそれぞれ約56万人(7・2%)、約43万人(5・0%)減少している。
この10年間で20代・30代の有権者は133万人余り減った。逆に50代以上は577万人余り増えた。全有権者中ので20代・30代の比重は48・3%↓38・5%となり、50代以上は29・3%↓39・6%となった。
世代別に見ると、朴セヌリ党候補の支持基盤は50代・60代、文民主統合党候補と安無所属候補の支持基盤は20代・30代だ。こうしたなかで、20代・30代の「変化熱望」と50代・60代の「安定希求」心理が共存し中道的指向が強い40代の有権者(21・9%)が勝敗の鍵を握り、キャスティングボート役を果たすものとみられている。
(2012.11.7 民団新聞)