第30回ロンドン五輪が7月27日に開幕する。韓国の目標は「10‐10」(金メダル10個以上、総合10位以内)。選手たちはこれらの目標を達成するため、最終段階のトレーニングに励んでいる。 | |
北京五輪では圧倒的な強さを見せ、韓国水泳史上初の五輪金メダルを獲得した朴泰桓。ロンドンでは自由形400メートル、200メートルの2種目制覇をねらう |
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お家芸、アーチェリーは男女個人・団体の全種目制覇をめざす | |
連覇へ 朴泰桓、張美蘭 | |
お家芸のテコンド、アーチェリー 韓国選手団総数は22種目245人規模となる。これは210人を派遣した84年ロサンゼルス大会以後、28年ぶりに最小規模となった。野球が正式種目から消えたこと、男女バスケットボール、男子バレーボールなど団体球技の予選脱落が影響した。 前回の北京五輪で韓国は267人の選手が出場し、金メダル13、銀10、銅5を獲得して総合7位に入った。 バドミントン射撃にも期待 今大会で目標とする「10‐10」を達成するには、お家芸のテコンド、アーチェリーでの金メダル量産が必須で、重量挙げ、射撃、バドミントン、柔道など、メダル濃厚な競技で増産していくことが絶対条件となる。 金メダルが期待されるのは、アーチェリーの男女をはじめ水泳の朴泰桓、重量挙げの張美蘭、射撃の秦鍾午、柔道の王己春、金宰範、テコンド男子の車東旻、女子の黄敬善、バドミントン男子複式の鄭在成・李龍大組など。いずれも北京五輪金・銀メダリストたちだ。 重量挙げ、柔道も楽しみ 88ソウル、92バルセロナ大会で公開競技、00シドニー大会から正式種目となったテコンドは男女合わせて4種目ずつあるが、韓国の独占を避けるため、1カ国の代表選手数は男女それぞれ2人までに制約された。韓国は車、黄のほか、弱冠20歳の李デフン、李インジョンの男女全員が金メダルをねらう。 5大会連続出場のホッケーとハンドボールは男女ともにメダル候補だ。とくに、北京での準決勝で疑惑の判定に泣かされ、銅メダルにとどまった女子ハンドボールは実力は充分備えている。今回の予選リーグはノルウェー、デンマーク、フランス、スペインの世界4強と同組となり厳しいが、粘り強い戦いでグループリーグ突破なら金メダルが充分ねらえる。 北京大会、自由形400㍍の覇者、朴泰桓は前回銀だった200㍍と合わせ2種目制覇をめざす。 昨年の世界体操選手権の跳馬で優勝した梁鶴善は、韓国体操初の五輪金メダルに挑戦する。 「妖精」孫延在、初メダルめざす 新体操界の17歳の「妖精」こと孫延在は今年4、5月のW杯シリーズでフープとロープで韓国人初のメダルを獲得し一躍メダル候補に。プログラム構成を担当している振付師のルーシ・ドミトロバ氏(ブルガリア)は「最初はかわいい東洋の子とばかり思われていたが、今や欧州強国のけん制をうける選手になった」と評価、五輪初メダルも夢でない。 フェンシングも有望だ。「美女剣客」こと南賢喜は北京大会での決勝でイタリアのバレンチナ・ベッツァーリに終盤までリードしながらも、終了直前に逆転され、5‐6の僅差で銀メダルにとどまったが、現在世界ランキング2位の実力を誇る。 ボクシングでは、男子ライトフライ級のシン・ジョンフンの期待が大きい。昨年の世界選手権決勝では北京五輪金メダリストの鄒市明に僅差で敗れたが、世界ランキングは現在1位を誇り、鄒市明と金メダルを争う。 北京では不振だったレスリングではグレコローマンの崔圭 、鄭智鉉に期待が寄せられている。 開幕3日間に有望種目集中 韓国の金メダル獲得は開幕3日間が大きなポイントだ。金メダル一番乗りが期待されるのが、男子射撃・エアピストル10㍍の秦鍾午。決勝は28日午後11時35分(日本時間)頃となる。 その2時間ほど後の29日2時10分頃に、アーチェリー男子団体戦決勝、さらに3時50分過ぎには朴泰桓が出場する水泳男子400㍍決勝と続く。 30日未明はアーチェリー女子団体戦決勝。翌日は男子73㌔級の王己春、水泳男子自由形200㍍の朴泰桓と続く。 | |
新体操界の「妖精」孫延在。競技はもちろん、そのキュートなルックスはキム・ヨナとともに「国民の妹」とも | |
「美女剣客」こと南賢喜。僅差で金メダルを逃した北京五輪でのリベンジを果たせるか | |
射撃男子10メートルエアピストルと50メートルピストルで金メダルをねらう秦鍾午 | |
柔道世界選手権2度優勝も、北京五輪は銀の王己春(73キロ級)。悲願の金メダルは? | |
テコンド世界最強の男、車東旻(写真)をはじめ、韓国はこの競技全4種目で金メダルをねらう | |
ボクシングの期待を背負うライトフライ級シン・ジョンフン | アテネ五輪決勝、北京五輪準決勝で一進一退の名勝負を見せた女子ハンドボール。バルセロナ五輪以来の金メダル奪還をめざす |
バドミントン男子の李龍大。北京では混合複式で金メダルを獲得。ロンドンでは兄貴分の鄭在成と男子複式で優勝へ | 2大会ぶり金メダルをねらうレスリング・グレコローマン60キロ級の鄭智鉉 |
体操男子跳馬の梁鶴善。昨年11月の世界体操選手権では堂々の優勝。韓国体操初の五輪金メダリストとなるか |