掲載日 : [2019-06-19] 照会数 : 7712
韓国伝統音楽で魅了…秀林文化財団10周年公演
[ 金一志さん、趙珠仙さん、金大伊理事長によるフィナーレ「密陽アリラン」 ] [ 金ソルダニエルさんと尹茶暎さんによるコラボ「チェロカヤグム」 ]
「秀林文化財団」を設立し、韓日両国で教育と文化事業に邁進し、人材育成に努めてきた在日韓国人1世、故金熙秀さんの追悼を兼ねた同財団10周年記念の公演「韓国音楽の楽・歌・舞」が18日、東京都新宿区の韓国文化院で開かれた。
金さんが設立した学校法人金井学園(申景浩理事長)と財団法人秀林文化財団(劉震龍理事長)にあわせて韓国文化院による共催。同学園と財団の理事、評議員らが参席したほか、金井学園で学ぶアジア5カ国の留学生250人を招いた。
公演を前に劉理事長(元韓国文化体育部長官)と申理事長は「平和と繁栄に貢献するアジアの人材育成と発掘をモットーにしていた金煕秀先生が残した財団は留学生たちに夢と希望と未来への力を残してくれたと信じている」としながら「創立者の遺志を今一度考え、今日の公演を楽しんでほしい」とあいさつした。
公演は豪州出身のチェリスト、金ソルダニエルさんと韓国出身のカヤグム奏者、尹茶暎さんによるコラボ「チェロカヤグム」の演奏で幕を開けた。
「チェロカヤグム」は、両氏が、ドイツのベルリンで結成したデュオで、韓国の伝統楽器とチェロ固有の魅力を調和し、東洋と西洋の音を奏でている。結成以来、ヨーロッパで着実に注目を集め、2016年12月のドイツ・ベルリンを始め、スイス、イタリア、ポーランドなどの公演を経て、17年9月には韓国の蔚山文化財団主催の「アジア・パシフィック・ミュージックミーティングショーケース」に選ばれた。
続いて国家無形文化財第39号「處容舞」履修者の金一志さん(金一志韓国伝統芸術院長)による「閑良舞」が披露された。「閑良」とは、知識と教養のある成人男性を意味し、閑良舞は舞踊劇から閑良の舞のみを借用したもので、「恨」と「興」を表す代表的な男性舞踊で、閑良がもつ自由奔放で粋な様が表現されている。
最後は重要無形文化財第5号「沈清歌」の履修者で 漢陽大学校音楽大学国楽科教授の趙珠仙さんと文化・芸術工房の金大伊理事長によるパンソリ「興甫歌」で公演を締めくくった。
(2019.06.19)