掲載日 : [2019-06-26] 照会数 : 7756
新刊紹介...王秀英詩集「よその河」
来日40年 5冊目の詩集
女性雑誌の駐日特派員として韓国から来日して40年余り。異郷で齢を重ねつつも、詩人として感性にますます磨きがかかっている。本書収録の「究極の差別」最終連に次のようなくだりがある。
うちはあんたを/韓国人やと思ったことは一度もない/いつかて 日本人やと思ってたんや/そのくらいあんたが好きなんや
副題は「日本の友」。王さんが家を借りるときは保証人となり、初めての地震体験におののく王さんを家族同様、心配してくれたかかけがえのない友人だ。だからこそ嘆きも深い。「日本人が朝鮮半島の人を蔑視してきたことが彼女の潜在意識に忍び込んでいるのです。この恐ろしい無意識は限りなく続く歴史の悲しみです」。
王さんの日本語詩集は5冊目。これまでに「石川啄木賞」も受賞している。
王秀英詩集「よその河」=東方社(04・2964・5436)定価2000円(+税)
(2019.06.26 民団新聞)