民団東京本部(金龍濤団長)主管の「光復節中央記念式典」(8月15日)の2部アトラクションが、昨年から団員参加型の催しとして様変わりした。「支部対抗ノレチャラン(のど自慢)」では東京21支部の参加者たちが、歌や踊りなどのパフォーマンスで会場を盛り上げた。同本部は、今年はクオリティーを高めたいと4月13日に実行委員会(仮称)を立ち上げ、同日、第1回企画会議を開いた。ボランティアとして、さまざまな形でイベントに関わってくれるよう、在日の芸能・文化人に呼びかけていく。
ボランティア集まれ
民団とのつながりより深く
団員の思いを引き寄せたい
実行委員会のメンバーは、南照男委員長(民団東京本部副団長)をはじめ、台東支部の夫奉秋支団長(第1ブロック)、大田支部の盧幸一支団長(第2ブロック)、豊島支部の金日権監察委員長(第3ブロック)たち。
実行委員会の発足について、昨年、司会を務めた金日権さんは「民団離れが進む中で、光復節を通して団員皆さんの思いを引き寄せることはできないか。こういう役目を果たせる内容にしなければならない」と、真剣なまなざしだ。
祖国解放・民族独立を祝う光復節記念式典は、民団創立以来の最重要行事だ。それだけに、中央式典では形式を優先するいかめしさがあった。だが、地方本部では近年、第2部については団員とともにより積極的に楽しむ、参加型のイベントに転換する傾向が目立っていた。光復節の歴史的意義を再確認しながらも、団員家族らがより参加しやすい雰囲気づくりが求められているからだ。
これまでは、プロの歌手たちが舞台を飾ってきたが、「団員にとっては受動型の式典だった。そうではなくて自分たちが作ったという意識を持つことが大事」と金さんは言う。
昨年、そのような声を踏まえて行ったのが「支部対抗ノレチャラン」だ。歌に併せてバックコーラスやダンス、仮装した踊りがあったりと各支部は趣向を凝らした。会場からは笑い声が絶えなかった。
歌舞や演劇で優勝めざそう
第1回企画会議では、実行委員会のメンバーが、いろいろなプランを持ち寄った。今年の2部公演は、「3ブロック対抗芸能祭」(仮称)として行う予定だ。同本部管内の21支部が3つのブロックに分かれ、韓国舞踊、歌謡や民謡、ミュージカル仕立ての劇などで優勝を狙う。
特に注目すべきは、芸能、演劇、舞踊、映像、演出などに携わる在日のプロ、セミプロのボランティアを募集するというもの。さまざまな形でアトラクションに携わってもらうと同時に、民団とのつながりを深めてほしいとの思いからだ。
南委員長は「芸術の場には、いろいろな在日の文化人がいる。皆さんの協力が支部の活性化にもつながるし、埋もれたアーティストたちを紹介する場にもしたい」と意欲的だ。
金さんは「民団は1年間を通して、民団社会の発展、在日社会に貢献するための行事をいろいろ行っているが、光復節記念式典ではより一層、内容を高めていくために在日の芸能・文化人の力を結集しながら、見応えのあるものを作っていきたい」と張り切っている。
様々な行事に紹介システム
ボランティアは、民団東京本部、各支部に備え付けの登録用紙で受け付けている。「光復節」の行事だけではなく、結婚式や記念パーティーなど、在日アーティストが求められた時に、紹介できるシステムを整備していく予定だ。
在日の芸能・文化人ボランティア募集の締め切りは今月末。問い合わせは民団東京本部(TEL03・3454・4711)、各支部まで。
(2012.5.9 民団新聞)