6月9日、明大で
日本の植民地統治時代に開催されたベルリン・オリンピック(1936年)に「日本代表」として出場し、金メダルを獲得したマラソンランナー、孫基禎氏(写真)の生誕から100周年を迎える。これを記念するシンポジウム(同実行委員会主催、明治大学・民団中央本部共催)が6月9日、東京の明治大学リバティタワー1階リバティホール(千代田区神田駿河台)で開催される。
孫氏は解放後、韓国と日本のスポーツ交流に貢献し、サッカーワールドカップの韓日共催実現にも努力した。しかし、日本のスポーツ界からはその活躍と貢献を正当に評価されてこなかった。唯一の例外は、母校の明治大学から95年、学長名で贈られた「特別功労賞」と、同校校友会からの表彰状だけといっていい。
実行委員会の寺島善一明大商学部教授は、「孫氏は日本のスポーツマンとの交流を大事にし、韓日間のみならず、東アジアの友好連帯・団結を身をもって実践してきた。これこそオリンピックの根本思想そのものではないか。日本がIOCに加盟して100年。ロンドンで五輪が開催される今年、先人の思想と行動から学ぶことは意義深い」と強調した。
シンポでは寺島教授が、「孫基禎さんの人生―その思想と行動」について解説。スポーツ評論家の谷口源太郎氏、元プロ野球選手の広沢克己氏らを迎えたシンポジウムで論議をさらに深める。
午後2時から。資料代500円。
(2012.5.23 民団新聞)