伝統芸能のコラボも
【大阪】韓日両国の友好と文化交流の促進を目指す「ハンマダンin大阪」(同実行委員会主催)が27日、大阪市中央区の大阪城公園・太陽の広場で開かれた。昨年はK―POPがメーンとなり、20代の女性が熱狂したのに対し、今年は在日と日本による伝統芸能の競演に韓国のパフォーマンス集団が加わる多彩なステージ。約1万人にのぼる幅広い年代の観客が「韓国と日本の出会い」を楽しんだ。
ステージは韓国で有名なパフォーマンス集団「NANTA」による「笑いとリズムの饗宴」でスタート。在日の民族芸能団体も韓国民謡や舞踊、カヤグム演奏などを披露した。金剛学園の児童は愛らしい伝統舞踊で、建国中・高校の伝統芸術部は定評のある「プンムル」で会場を魅了した。
今宮高校ダンス部は若さあふれる「創作ソーラン節」で舞台いっぱいに躍動。志賀国天寿一門会による「江州音頭」では在日舞踊団体や婦人会大阪本部舞踊部とのコラボが実現し、ステージ前で盆踊りのリズムに合わせて観客も踊り出した。
男寺党は伝統の「チュルタギ(綱渡り)」で観客をわかせた。K―POPは新人スターの「LAY―T」と「TAKEN」が歌い、踊った。フィナーレでは出演者全員が建国中・高校伝統芸術部プンムル隊と「アリラン」を合唱しながら会場を練り歩いた。観客も加わり、大きな輪をつくった。
オープニングには日本側から大阪府の木村慎作副知事、大阪市の田中清剛副市長、民主党の中野寛成衆議院議員ら。民団中央本部から呉公太団長、金漢翊議長、呂健二副団長、駐大阪総領事館の李賢主総領事ほかが祝いに駆けつけた。あいさつに立った大会長の鄭鉉権民団大阪本部団長は、「ハンマダンのような行事を重ねることが、両国のさらなる発展、繁栄につながるものと確信している」と強調した。
会場には飲食ブースなど28店が出店した。婦人会大阪本部(賓春花会長)は焼肉とチヂミ、鶏のから揚げを販売した。賓会長は「こういった韓日交流の場をこれからも継続していくことが大事。本部役員みんなの協力にも感謝している」と話していた。
心打った多彩な演目…観客の声
60代のある日本人男性は、「NANTAの公演を見たくて、この日を待ちわびていた」という。同じく京都から友人と駆け付けたという30代の日本人女性も「表情豊かで、とてもリズミカル」と興奮気味の表情だった。
民族学級で学んだ沈美和ちゃん(小6)は「NANTAは言葉は分からなくても見ているだけでおもしろかった」と話していた。韓国に留学していた金芳明さん(21)は、「ソウルではNANTAの入場料が高くて見ることができなかったので感激した」という。金さんの友人も「パワーが違う」と同調していた。
TVドラマ「冬のソナタ」を見て韓流のとりこになったという50代の女性(神戸市)は、「韓国の時代劇『王の男』の中で綱渡りを見たことがあるけど、映像とは迫力が違う」と感嘆していた。
津田周子さん(20、奈良県)はK―POPが楽しみで来た。「去年も来ました。このイベントは最高」。津田さんの連れの桐田亜紀子さん(30、大阪府)は、韓国料理を食べたくて来たのだという。好物は豆腐チゲとトッポッキ。いつかコリアタウンで食べるのを楽しみにしていると話す。
慎東哲さん(76、大阪市)は、「在日韓国人がこういう形で日本に文化をアピールしていくのですから、この行事は必要です」という。民団大阪本部の許槿一副団長も、「行政から大阪府知事と大阪市長の代理が出席してくれたのは意味が大きい。在日韓国人と日本人の交流事業として大事なものです」と強調した。
(2012.5.30 民団新聞)