東京や大阪などで繰り返されている在日韓国・朝鮮人を名指した排外主義的な民族差別デモに抗議する「差別撤廃東京大行進」(主催=People's Front of Anti-Racism)が22日、東京・新宿で行われた。7月の「仲良くしようぜパレード大阪」に続く大規模示威行進で、市民1200人以上が約3キロのデモコースを歩きながら沿道の市民に「差別はやめよう」「一緒に生きよう」と呼びかけた。
「一緒に生きよう」声高らかに
沿道からも合流
男女2人の旗手と「差別撤廃東京大行進」の横断幕を先頭に、3つの集団を構成した。中心となった実行委員会の主要メンバーは、故キング牧師がワシントンDCで黒人差別の解消を求めた50年前の「ワシントン大行進」を模して、男女とも黒いスーツで第1集団を引っ張った。
手には「私たちは差別を許さない」、「仲良くしよーや」、「多様性を尊重する社会を」などといった手作りのプラカードを掲げた。
楽隊はワシントン大行進で演奏された米国人権運動の象徴曲「勝利を我らに(We Shall Overcome)」を高らかに演奏した。また、江戸時代の朝鮮通信使の善隣友好精神を今に活かそうと活動している「埼玉コリア21」(江藤善章代表)のメンバーも、ミニ・サムルノリで行進を盛り上げた。
一行は新宿中央公園から人通りでにぎわう新宿駅前に。そこから小滝橋通りを北上して職安通り、区役所通り、靖国通りから解散場所の柏木公園まで約3�を1時間半かけて行進した。行進中には沿道で「頑張れ」と応援していた歩行者も次々と合流した。
実行委代表の木野寿紀さん(31)は、「行動する右翼を標榜する在特会側の動員は最大でも300人足らず。彼らをはるかに上回る支持を得た」と強調した。差別撤廃大行進の先頭に立った有田芳生参議院議員も、「大きな一歩」と評価した。
この日、デモ行進の出発を前にした新宿中央公園には、在日3世で「仲良くしようぜパレード大阪」の共同代表、申靖英さん(41)が、「反差別のバトン」を大阪から東京につなげようと駆けつけ、参加者から大きな拍手で迎えられた。申さんは17日、大阪を自転車でスタート。5日間かけて21日に東京入りしていた。
実行委員の一人でヘイト・スピーチデモに抗議する署名活動も展開している在日同胞の金展克さんは、「大阪で始まった反差別の流れを受け継ぎ、次の世代につなげたかった」と参加の動機を語った。
(2013.9.25 民団新聞)