「国軍の日」記念式演説 キル・チェーン急ぐ
【ソウル】朴槿恵大統領は1日、京畿道城南市にあるソウル空港(空軍基地)で開かれた建軍65周年「国軍の日」記念式での演説で、「現在、我々を取り巻く韓半島と東北アジアの安保環境は非常に厳しい。北韓は核開発に固執しますます高度化させている」と指摘、「北韓が核を放棄して北韓住民と韓半島の平和のための正しい選択をする時まで、強力な対北抑止力を構築しなければならない」と安全保障の重要性を繰り返し強調した。
朴大統領は「軍隊の真の存在価値は戦争をすることにあるのでなく、戦争の防止にある」と表明。「政府は強力な韓米連合防衛体制を維持しながら、『キル・チェーン』と『韓国型ミサイル防衛システム(KAMD)』など、核と大量殺傷兵器対応能力を早期に確保し、北韓政権が執着する核とミサイルがこれ以上役に立たないということを自ら認識するようにさせる」と述べた。
さらに、「挑発を容認しない強固な安保の裏付けがある時、平和を守り、北韓を真の変化の道に引き出すことができる」とし、「政府は堅固な安保を基に韓半島の平和統一の基盤を一つひとつ構築していき国民幸福、希望の新時代を開く」と改めて約束した。
「キル・チェーン」は、北韓のミサイルや核による攻撃を事前に探知し先制攻撃を行う一連の防衛システム。KAMDは発射された北韓のミサイルが韓国に落ちる前に迎撃するシステムで、それぞれ2017年と22年までの構築を目標にしている。
朴大統領は、同日午後世宗文化会館で開かれた「国軍の日」記念祝賀行事でも「ブレーキを信頼できてこそ自動車の速度を高めることができるように、国防という強固な支えがある時に国家発展も加速度を高めることができる。韓半島の平和統一基盤を構築することと国民幸福時代を開くこともしっかりとした安保が裏打ちされなければならない」として安保態勢の強化を力説した。
この日の記念式と祝賀行事には訪韓中のヘーゲル米国防長官とデンプシー米合同参謀議長が参加した。
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「国軍の日」式典
在日330人参観
呉公太団長ら民団中央3機関長をはじめとする在日同胞代表団約330人は1日午前、京畿道城南市のソウル空港で開催された建軍65周年「国軍の日」記念式典を参観した。
式典では朴槿恵大統領による閲兵、記念辞の後、1万1000人余りの兵士らによるパレードが行われ、北韓の主要施設を攻撃できる射程300㌔の国産弾道ミサイル「玄武2」や射程1000㌔を超える長距離巡航ミサイル「玄武3」、北韓の長距離砲・海岸砲部隊に対処する射程約20㌔のイスラエル製誘導ミサイル「スパイク」、艦艇から発射する艦対地ミサイル「海星」など、韓国軍の主力兵器が初公開された。
午後には、歩兵や機械化部隊による大規模市街行進がソウル市内の南大門(崇礼門)、光化門、東大門一帯で行われた。国軍4500人余りと「玄武2」、「玄武3」、「スパイク」など105台の最新軍事装備が参加して精鋭強軍の威容を見せた。
(2013.10.9 民団新聞)