掲載日 : [2018-10-31] 照会数 : 11977
神奈川、全支部あげて戸別訪問…生活者団体の「基盤作り」へ
[ 戸別訪問して民団グッズを手渡す趙元済横浜支部監察委員長(右) ]
新規同胞も視野に
【神奈川】民団組織をあげて全国展開している「2万世帯戸別訪問活動」。目標達成の一つのカギを握る神奈川県本部(李順載団長)は、9日の横浜支部を皮切りに12月末まで、県下6支部と直轄3支部の700世帯を対象に、連日同胞宅を訪ねている。団費納入世帯のみならず、朝総連からの離脱同胞や新規定住者の同胞らを間口を広げて受け入れる考えだ。「すべての同胞のための生活者団体」というイメージアップを図り、同胞間のネットワークづくりと新規同胞への働きかけも視野に入れた活動は年内いっぱい精力的に続けられる。
同本部の戸別訪問は、6支部(横浜、川崎、南武、相模原、湘中、湘西)の支団長らを中心に1~2班、2~4人体制で実施している。県下最大の横浜支部は目標が246世帯。同支部出身の李団長や朴昌泳副団長も活動に加わる。李団長は「就任1期目に民団と団員をつなげる組織の基本活動を必ず成功させる」と意気込みを見せている。
同本部は2000年、黄昌柱常任顧問(当時団長)が「待ちの民団」から積極的に団員宅を循環する「移動民団」事業をスタートさせ、団員情報を正確に把握することに成功した経緯がある。団員にも好評だった。この精神を今も生かしているのが黄顧問地元の湘西支部だ。管轄エリアが最も広いが、事務部長が戸別訪問で団員安否を兼ねて団費を集金している。
2016年と17年にも目標600世帯を掲げ戸別訪問を継続してきた本部だが、結果は半数程度に終わった。曺壽昭事務局長は「訪問世帯の基本データが完備できないまま、支部の通常業務と週末に集中する行事との時間調整が図れなかった。今回は実務者だけでなく、本部・支部3機関幹部も率先して現場実践ができるようにしたい」と語る。
すでに活動開始から3週間が過ぎた。団員宅にはアポなしで訪問する方式を取った。事前に知らせると、門前払いや電話を受けてもらえなかったことが過去にはあったからだ。
また、元総連系同胞からは拒まれる例も少なくないことや、訪問しやすい世帯だけを訪問した前回の反省に立ち、今回はまず同胞と顔を合わせることに主眼をおいた。
横浜支部の金振祐事務部長は「事務方だけが訪問するよりも、支団長ら役員が一緒に回ったほうが団員の喜び度合が違う。平日の訪問は大変だし、高齢の方が多いが、不在の場合は訪問案内を投函しておくと折り返し団員からの連絡も多い。日常業務を進めながらの訪問活動は厳しいが、もっと効率よい方法を模索する必要がある」と感想を述べた。
8月の光復節式典で横浜支部のハルモニが、「水害など被災同胞のために役立てて」と120万円近くの浄財を寄付してくれた。裕福な家庭ではないが、困っている同胞がいると知れば、必ず自ら寄付を申し出るという。「こういう相互扶助が民団の創団精神。同胞愛を直轄状態にある鶴見、横須賀、大和支部管内の同胞にも広げたい」と李団長。11月から12月にかけて、曺事務局長と李豪哲文教副部長が現地に入り、陣頭指揮をとる。戸別訪問によって一日も早い組織正常化を目指す。
(2018.10.31 民団新聞)